SD long【完】

□E 伝えたい気持ち…
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学校が終わると、






「さっ!里緒奈、帰ろう!」





隆也は嬉しそうに



里緒奈に呼びかけた。





アイス♬アイス♬



里緒奈の頭の中はアイスでいっぱい。





学校の外に出ると



隆也が自転車を引いて来た。






『お前、毎日チャリで来てんのか?』





「そうだよ。ここまで来るのに歩きじゃ遠いからな。ほら!後ろに乗って!」





里緒奈の腕を引っ張って



後ろへ座らせた。





『おいおい!二人乗りなんて目立つじゃねーかよ;あたしは何かあっても知らねーぞ。』





「あはは!何もしなくても いつも目立ってる里緒奈に言われるとはな!笑!大丈夫!安全運転で行きますよ!笑」





二人はどこのアイス屋に行くか話しながら向かった。






来たのは 有名なアイスクリーム専門店



すごく人気でいつも行列。






『うわっ!すげー並んでる;』





「里緒奈、ここのアイス食べたいんだろ?並ぼうよ!」






行列に並ぶことにした。






周りは カップルもいるが、



ほとんどが女の子が多い。





そんな中、背が高くて爽やかなイケメンの隆也は 女の子達の注目だった。



隣にはヤンキーか?って思われるぐらいの頭をし、オシャレで派手な里緒奈がいる。



どう見てもタイプが違うというか…


意外な組み合わせというか…






周りにいた子達は 驚いているが、



里緒奈を見て、可愛いと思う子も多々いる。






じっと 見られている里緒奈は





『ん?なんか見られてねーか?隆也の知り合いか?』





「違うよ。里緒奈の友達じゃないの?」





違う!と言って 見られてる視線も気になるが、二人は順番が来るのを待っていた。







順番が来ると決めていたアイスを1人ずつ頼み、お持ち帰りして店を出た。





近くの公園のベンチで2人並んで食べた。






『このアイス、めっちゃ旨い!!並んだ甲斐があったなー!!』





美味しそうに食べる里緒奈は可愛い。





「里緒奈が喜んでくれて良かった。」





隆也も 嬉しそうに笑う。






『今日は部活ないのか?いつも練習に行ってるだろ?』





「3年はもう引退したんだよ。俺らは大会ないけど、今は自主練に皆行ってるんだ。」





へぇ〜。偉いな!と、スプーンを加えるながら言う 里緒奈。





「里緒奈は いつもあの5人と一緒にいるよな。なんでなんだ?」





『なんでって聞かれても、あたしにとっては あの5人といるのが普通なんだよ。何もするわけでもないし、ただバカな話をして笑っていられる。今のあたしには 必要な場所なんだよ。あいつらといるのが、変か?』





「いや、変じゃないけど… なんとなく気になったからさ。」



隆也は、また気になることを聞いた。



「…やっぱり あの5人の中でも、水戸は特別なのか?」





ん?洋平か?と、里緒奈は聞き、隆也は コックリ頷く。





『ん〜。特別っていうのかぁ〜?洋平は 中2の時からずっと一緒だけど、そーゆーこと考えたことなかったな。』



腕を組んで考えてみた。





『洋平は あたしの恩人かな。』



恩人?と聞く隆也に、


そぉ!恩人!と里緒奈は言った。





『あたし、中2の時に転校してきただろ?そん時のあたしは空っぽでさぁ、何もなかった。友達もいない、居場所もない、やりたい事もない。ただ義務付けられてるから学校に来るって感じでさ。そんなあたしに声かけてきたのは 洋平で、あたしに仲間と居場所を作ってくれた。それからは毎日が楽しくて。だから、恩人かな?笑』





「そぉか…。里緒奈から恩人って言われる水戸って、なんかすごいな。笑」



水戸は、たしかに すごい奴だと思う。
きっと 里緒奈が心許してる相手なんだろう。それも悔しいが、お互い 好きな相手は一緒だ。負けない。





隆也は、洋平へのライバル心を燃やしていた。



もちろん、そんなこと気づくはずもなく 美味しそうにアイスを食べる里緒奈。







「里緒奈ー、まだ時間ある?ちょっと付いてきてくれないか?」






『あぁ、いいけど どこ行くんだ?』





またチャリに2人またがって移動した。
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