SD long【完】
□F やっぱり特別な人…
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里緒奈は自分の部屋を出て行った。
花道 「…お前ら、昨日 本当に里緒奈を見たのか?」
バカ3人 「いや、見てねー!笑」
花道 「はぁ?!んじゃ、なんで里緒奈が男といるって知ってんだよ!」
大楠 「俺らも聞いたんだよ。昨日里緒奈と須藤が二人乗りして帰ったって。」
高宮 「その後は知らねーけどな。」
忠 「相手が須藤って聞いて、やっぱり洋平怒ってたな。」
大楠 「あぁ。須藤の奴、里緒奈のこと本気で狙ってるらしいからな。」
花道 「なぬっ?!そぉなのか?!」
高宮 「まぁ、里緒奈が須藤を選ぶとは思えねーけど。 でも、洋平からすると心配だよな。」
忠 「あぁ、早く洋平たちくっついちゃえばいいのによー。」
花道 「ふむ。相手が里緒奈だからな…。時間がかかりそうだ。」
4人でそんな話をしていた。
洋平を探しに出た里緒奈は、
近くの自販機に行ってみた。
『あっ。やっぱりここにいた…。』
洋平に近づくと、洋平は里緒奈に気づいた。
洋 「っ!!お前、その格好で出てきたのか?!」
キャミソールに短パンの露出度が高い格好にビックリした。
『だって、洋平が怒って出て行くから…。急いで来たんだよ。』
洋平は フッと笑って、自分が着ていたシャツを脱ぎ、里緒奈の肩にかけた。
洋 「怒ってねーよ。本当に飲み物買いに来たんだぜ。外だからあんまり肌出すなよ。」
洋平は優しく里緒奈に言った。
『えぇッ、さっき怒ってたぞ。』
洋 「ハハハ!ちぃーとなっ!笑」
そう言うと洋平は左手を差し出した。
洋 「ほら。戻るぞ。」
あたしよりも大きい 洋平の手…
あたしは 迷わず洋平の手を握った。
あたしの家までそんなに距離はないが、
ゆっくり二人で歩く。
横を少し見上げれば洋平の顔がある。
チラッと見ると洋平も気付いた。
なんだよ。と少し見下ろされて笑う洋平の顔も、なんか好き…。
べつにぃー。と前を向くと洋平の温かい手が ぎゅっとあたしの手を握ってくれる。
『洋平ー。昨日帰ってから連絡しようと思ったんだけど、携帯持ったまま寝ちゃったんだ…。ごめん。』
洋 「だから、怒ってないって。須藤と一緒にいたのは、ちょっと怒れるけどな。笑」
あぁ…ごめん。と謝る里緒奈。
洋 「…里緒奈、昨日本当に何もなかったのか?」
やっぱり気になるのか、もう一度 洋平は聞いてみた。
んっ;と、明らかに何かあったような顔をする里緒奈。
どぉしたんだ?ともう一度聞くと、
里緒奈は口を開いた。
『昨日はたしかに隆也と一緒にいたよ。普通に遊んで帰ったんだ。…その帰りに…そのぉ……好きって…言われた……。そ、それだけだよ;』
まぢかよ…;こんな早く告白するなんて思わなかったぜ…;
洋平は頭をかきながら、そう思った。
洋 「で、お前は何て返事したんだ?」
ん?返事?!と驚いた顔をする里緒奈。
『いやぁ…、いきなりそんなこと言われたからビックリして…何も言えなかったです;』
洋 「ふ〜ん。じゃぁ、里緒奈はアイツのこと好きなのか?」
洋平の質問にビックリした。
そんなこと聞かれたことない…。
『いやぁ…、隆也は悪い奴じゃないと思うけど……そのぉ…好きとかそーゆーふうに思ったことはない。』
その言葉に安心した洋平は
ふ〜ん。そっか!と、笑って言った。
すると、いきなり洋平の足が止まった。