SD long【完】

□G 告白の返事…そして卒業。
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学校が終わると いつものように6人で帰り、
決まったところで仲間とわかれる。
「じゃーなー。」と手を振り、
あたしと洋平は 家が近いから
ここからいつも二人で帰っている。




洋 「里緒奈ー、今日俺んち来るか?帰っても退屈だろ?」


暇な時はいつも洋平の家へ行き、
何をするわけでもなく、2人でくつろいでいる。



が、今日は……




『あぁ…、今日は帰るわ。家でちょっとやりたい事あるからさ。』


洋平の家に行くのをやめた。





洋 「おぉ…、そうか。じゃー、またな。」


そう言って 洋平はあたしを家まで送ると、
自分の家の方向へ帰って行った。





洋平の姿が見えなくなると、
あたしはまた学校へ戻った。






ー体育館ー



体育館を覗くと隆也が一人残って
まだバスケをしていた。



「あれっ?!里緒奈ー?!」


あたしに気づいた隆也は走って
こっちへ向かってきた。


どーしたんだ?!と驚きながら聞く 隆也。




『あぁ…、今日も自主練だって言ってたから…来たんだ。』



隆也は 里緒奈に会えたことが嬉しくて、ずっとニコニコしている。



『自主練はいいのか?』

と、あたしが聞くと


「里緒奈が来てくれたから、もうおしまい!」

と、笑顔で隆也は言った。




二人で体育館の床に座り、
隆也が口を開いた。





「…里緒奈、俺の気持ち 考えてくれた?」



『あ、あぁ…。…あれからずっと考えてたよ。いきなりだったから、頭の整理がつかなくて……。』



「…そーだよね、いきなり ごめんな。でも、俺は里緒奈に気持ちを伝えられて良かった。ずっと伝えたかったからさ。」



隆也は スッキリした顔をしている。



『うん…。隆也が真剣に気持ちを伝えてくれたから、あたしも真剣に考えてたんだ…。』



あたしは、じっと隆也を見た。



『今のあたしは 恋愛とか…好きとかよく分かんねーし、自分の気持ちを理解するのに…時間がかかる…。』



うまく言えないあたしの話を
隆也は真剣に聞いてくれている。



『隆也は あたしに持っていないものをたくさん持ってる…。気がきくし、いつも笑顔で優しいし、何よりも素直だ。みんなが隆也を好くのが よく分かる。あたしは 慣れない人とはうまく話せないし…、態度も悪く出ちゃう。でも、隆也はいつも笑ってくれて…こんなあたしを好きだって言ってくれた…。驚いたけど正直…嬉しかった。』



隆也が、じっと あたしを見る。




『でも…、今のあたしは 隆也を友達以上には見れない…。ごめん……。』




あたしが そう返事を出すと
隆也は ニコッと笑って





「一生懸命 考えてくれて、ありがとう。気にしないでね。」


そう優しく言ってくれた。


言葉が出ないあたしに 隆也は、


「同じクラスなんだし、今まで通り友達でいようね!」


そう言って、また笑ってくれた。



いつでも優しい隆也…。




『隆也、ありがとう。』




あたしも最後は笑って伝えた。
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