SD long【完】

□I あなたという存在…
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洋平の家に着くと
洋平は自分の家の前に立って待っていた。



洋 「よぉ、早かったな。」


『…だって、走ってきたもん。』


洋 「そっか。俺んち、上がるか?」


『いや…、今日はいい…。』


いつもなら上がるけど…
今日はなんとなく やめておいた。


洋 「…里緒奈、お前 何怒ってんだよ。さっきのバカ3人が言ってた事か?」


分かってるじゃん… と思う里緒奈。



洋 「あれはアイツらが勝手に言った事だ。からかっただけだぜ。」


『…じゃぁ、違うってこと?そのぉ…タイプとか…。』


洋平は 里緒奈が嫉妬していたと分かり、
少し嬉しかった。


洋 「あぁ、全然違う!俺はお前みたいに張り合える方が楽しいぞ!笑」

里緒奈の頭の上に手を置いて 洋平は笑った。



『…洋平、怒ったりして…ごめん。あの3人が知ってて、あたしには言ってくれないんだって…思って、なんか嫌だった。』


(それに…洋平の女の話なんて聞きたくなかった…)


洋 「もういい。俺は怒ってないぜ。」


洋平は 里緒奈をぎゅっと抱き寄せた。



『えっ?ようへ…?』

里緒奈は固まって動けない。


ふんわりと匂う…洋平の香り…。



洋平… なんでこーゆーことしてくれるんだ…?
なんで なんて…やっぱり聞けない…;



その時、美友理に言われた言葉を思い出した。
里緒奈の事、好きなんじゃない?



いや!絶対にないっ!!



そう思ったら、洋平からバッと離れた。



洋 「…なんだよ。嫌だったか?」


なんか不満そうな顔をする洋平に


『…いや、嫌じゃないけど…なんか…;』


洋 「なら、来いよ…。」


洋平は 軽く両手を広げた。
里緒奈は そっと近づいて身を任せた。


洋平はまた優しくぎゅっと抱きしめてくれた。






あたしは……洋平が好きなんだ……。



洋平の隣に…ずっといたい……。





そう思うと、あたしも洋平の腰に手を回した。





洋 「里緒奈…。俺、お前に渡したいものがあるんだ。」


洋平は里緒奈の目の前に、それを見せた。



『…ん?……鍵?』


洋 「そっ!俺んちの鍵!俺、バイトするって言ってただろ。」


『そっか、バイト決まったんだね。よかったじゃん!…でも、なんであたしに洋平んちの鍵くれるの?』


洋 「今より会えなくなるだろ。帰りは毎日送ってあげられなくなるし…、寂しいときはいつでも俺の部屋にいていいぜ。笑」



嬉しい…。やっぱり、洋平は優しいな…。



『洋平、ありがとう!それじゃー…。』


里緒奈はポケットから何かを取り出した。



『はい!あたしんちの鍵、洋平にあげる!これで、いつでも会いに来れるぞ!笑』



お互いの家の鍵を交換した。



洋平も嬉しそうな顔をして


洋 「さんきゅ!毎日行ってやるよ!笑」


と、冗談を言ってきた。
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