黄金の地平(夢小説)

□黄金の地平 第2章
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第2章

朝の勤めを終えたグウェニヴァーは、他の巫女達が帰った後も一人女神像の前に居た。
女神は乙女・母・老婆の3つの顔を持っていた。
「母なる女神様。処女の乙女、豊穣の母、死の老婆よ。あなたはまだ女神様の御名前を奪った、
オリュンポスの神々をお許しにならないのでしょうか。
どうかアテナの聖闘士達にもその手をおかけ下さい」
冥界へと旅立った聖闘士達は、アテナの加護により地上に戻ってくる事が出来た。
ただ一人、カノンを除いて。
聖衣を身に付けていなかったカノンは、アテナの加護を充分に受けられなかったのだろうか。

— カノンと初めて出会ったのは1年程前だった。

グウェニヴァーはいつもの様に朝の勤めを行っていた。
勤めが終わった頃、神殿入り口付近が何やら騒がしくなった。
「何かあったのかしら・・・」グウェニヴァーは騒ぎが気になり、入り口へ向かった。
「グウェン!あなたも来たのね。こんな所に男の人が倒れてるの」
双子の姉であるフィンバールは興奮気味に言った。
「傷だらけ・・・意識もないみたい。早く治療しないと!とりあえず私のベッドに運んであげて下さい。頭が揺れない様に、慎重にお願いします」
グウェニヴァーは男の様子を確認すると、守衛に指示をした。
「フィンは巫女長様に報告をして、治療に必要な薬と・・・あと着替えをお願い」
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