BLEACH短編


□その男、非番
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ここは十一番隊舎
今日の天気・晴れ
爽やかな風が僕の頬を撫でる
こんな日はたまにはゆっくりと過ごすのも悪くなi((

『弓親ーーーー!!』

…。


今日は久しぶりの非番
たまにはゆっくりと過ごすのも悪k((

『無視してんじゃねえ』

「わかったよ!わかったから刀しまって!!」

僕の優雅な一日の始まりをぶち壊してくれた彼女、三番隊第四席の佐藤 涼
彼女は何かあると必ず僕の元に来る
ちなみに僕達の関係はただの友人だ
何故こんなことを言うのかというと…

『聞いてよ弓親!イヅルがああああああ(泣)』

そう、彼女には同隊の副隊長である吉良イヅルと恋仲なのである

「はいはい、今日はどうしたの?」

こうやって泣き付かれる度に相談にのっているあたり、僕も相当物好きだよね

「僕今日非番なんだから、手短にね。」

『…うん。いつもありがとう。』

おや、今日はずいぶんと素直だな…
いつもはありがとうなんて言わないで、帰り際にお菓子投げつけるだけなのに。
よっぽどのことがあったのかな…

「いいから。で、ここでいいの?僕の部屋にはいる?あ、ちょうど現世で買ってきたお茶があるんだけど、飲んでいくかい?」

『…お邪魔します。』

素直すぎて怖くなってくるよ全く…
吉良副隊長も、いったい何をしたんだろう…

「とりあえず座っててよ。今淹れるから。」

『…うん。』

「…で、吉良副隊長は 涼にいったい何をしたんだい? 」

僕はお茶を淹れながら、まだ瞳の乾ききっていない彼女に問いかけた

『…イヅルが。』

「うん。」

『…最近。』

「うん。」

『……キスしてくれないの。』

「…うん!?」

えええええちょっと待ってええええええ!?
え、嘘、そんなことで!?
僕そんなことで非番潰されなきゃいけないの!?

「…ちなみに、心当たりは?」

心の乱れを咳払いで建て直してから、いたって冷静に聞く

『そんなのわかってたら、弓親んとこ来ないし…。』

………。
ため息を一つついてから、僕は淹れ終わったお茶を彼女の前に出す
理由はくだらないけど、割と深刻かもしれないから、真面目に聞くことにするよ

「最近変わったことは?」

『うーん…。わかんない。』

「いつからしてくれなくなったんだい?」

『ちょうど一週間前。』

「そのときに、吉良副隊長は誰と会ってたか覚えてるかい?」

『あの日は…。確か十番隊に書類を届けに。』

「なるほどね…。」

ちょっとした尋問を終えてから、僕と 涼はお茶をすすった。
僕の予想だと、どうせ松本さんあたりがいらんこと吹き込んだんだろうと思う。

「ちなみに、これから予定は?」

『これから書類を片さなくちゃいけなくて。』

「なるほど。じゃあ、今日僕非番だから、少し調べてあげるよ。
そのかわり、次の非番は休ませてくれよ?」

本当は話を聞くだけと思ってたけど、友人がこうも変わってしまったら、正直調子が狂う。

『ありがとう!…やっぱり弓親に相談して良かった。』

「そいつは光栄だね。さぁ、お茶も飲み終わったろう?二杯目は、お金とるよ?」

『それは嫌だね。じゃあ、行ってきます!
弓親、お願いね。お茶ごちそうさま!』

そういって 涼は出ていった
まだ不安はあるようだが、来たときよりかはずっと晴れやかだった。
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