BL小説

□紙切れ
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三番隊は、今日も今日とて書類の整理。
いつも通りの日常。

だと、思っていた

「…イヅル。聞いて欲しいこと、あるんや。」

市丸隊長がいつになく真剣な顔でゲン●ウさんのポーズをとっている

「…どうしました?」

僕は市丸隊長の姿をちらりと横目で見たあと、九番隊から回された、今日中に十番隊へ持っていかなければいけない書類を作成していた

「なぁイヅル。最近、ボク、やつれた思わん?」

「…はぁ。」

その言葉にまたちらりと市丸隊長の方を向く

確かに、顔色が悪いように見えなくもないが、大袈裟なほど体調が悪そうには見えない

「今日は少し早めにあがられますか?」

いつも仕事をしない隊長なので、居ても居なくてもぶっちゃけ変わらない

そんなことを思いながら、先程淹れた緑茶を手に取る

「…なんでこないなっとるか、知っとる?」

●ンドウさんのポーズのまま目線だけをこちらに向ける隊長を横目に、
“知らない”という意思を伝えるように、手に取った緑茶を口に含む

「それはな…」

そして飲もうとした瞬間

「イヅルがせっくすさせてくれんからや!!」

「んぐっ!!!」

一瞬にして緑色に染まる机と書類

「あーらら、やってもうたなぁイヅル。」

「隊長が変なこと言うからです!」

「なんや変なことって!ボクにっとてはそんな紙切れよか重大なことなんやで!」

「あなたそれでも隊長ですか!?」

「最近イヅルとシてへんせいで朝昼晩ずっとムラムラしっぱなしや!どうしてくれるん!」

「そんなの理不尽です!」

「そんな状態でイヅルの職務姿見て!この生真面目が夜になるとあんなこと言ったりやこんなことしたりなんて思い出して!」

「朝昼晩何考えてるんですかあなたは!」

「イヅルのせいでボクのもうひとつの神鎗が卍解してもうてんどないすなや!」

「とんでもない下ネタぶっ込んできたよこの人!」

「え、なんやぶっ込んでほしい?んなら最初から素直になりぃやイヅル。」

「違います!っ、だから隊長羽織を脱がないでください!」

「なんや、照れ隠しせえへんでも、ボクにはちゃぁんと伝わっとるよイヅル。」

「て、照れ隠しなんかしてませんしいったい何が伝わってるというのですかぁぁぁぁぁこっちこないでください!」

「んー?決まっとるやない。ボクのかわいいイヅルは我慢して我慢してようやっと気持ちよくなるのが好きなんよな?」

「なんですかそれ!僕にMっ気はありませ…え、壁…」

じりじりと近づく隊長に対し、僕も後退していった先にあったのは壁…







…オワタ\(^p^)/







「さ、イヅル。ぎょうさん気持ちよくなろな?」

「う…うわあああああああああああああああああああああああああああああ…」










アーーーーーッ♂


















三番隊に吉良の叫び声が響いた翌日、十番隊へ届けられた紙は…

緑色と白に染まったグシャグシャの紙切れとなっていた

「…あいつら後でぶっ殺す。」

日番谷隊長の苦労は増える一方であった







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