さやみるきー小説
□北川謙二
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ずっと気になってたんだ、、。
君が付き合ってた彼氏。
あれは今から半年前、、
―――
私はずっと美優紀のことが好きだった。
女の子同士の恋愛なんてしたらいけないことはわかってたし叶わないこともわかってた。
でも好きにならずにはいられなかった。
そして美優紀には彼氏が、、。
彼の名前は"北川謙二"。
幼なじみである私達は昔から仲が良く、よく遊んでいた。
小学生くらいの頃から私は美優紀に恋心を抱いてしまったのだ。
美優紀は昔からとにかくモテて、何人もの男の子と付き合ったりしていた。
私はずっと美優紀が好きだったから男の子と付き合うことはなかったけど。
あまりにも私が男に興味ないから
「彩彼氏つくらんの?可愛いのにもったいないやん。」
なんて美優紀に言われたこともあったっけ。
でも"北川謙二"は明らかに美優紀が今まで付き合ってきた他の男とは違う。
モテモテだった美優紀が生まれて初めて自分から好きになって告白したのだ。
美優紀は"北川謙二"と付き合い始めてからますます可愛くなったし何度も相談されたり本当に恋する乙女だった。
そんなある日。
「彩、、私、謙二と別れた、、。」
私は凄く驚いた。
『、、なんかあったん?』
「フラれたんや、、。」
泣きながら話す美優紀に私はなんて言葉をかけたらいいのかわからなかった。
なんで、、なんで美優紀が泣かなあかんの、、。
そんな美優紀を見ていたら私は自分の気持ちが抑えられなくなって美優紀を抱きしめていた。
「さ、、彩?」
『美優紀、、。』
後ろから抱えるように抱きしめていたから顔は見えなかったけど美優紀が驚いているのはわかった。
『美優紀。私はずっと美優紀のことが好きやった。友達としてじゃなくて、、。そんな簡単に北川謙二のことは忘れられないと思う。けど私が美優紀を幸せにする。だからずっとそばにおってくれへん?』
「えっ、、え、、?」
私は慌てている美優紀を私の方に向かせた。
『好きやで、美優紀。』
私は美優紀に1秒あるかないかくらいのキスをした。
「彩、、ありがとう。私、、今びっくりしすぎてどうしていいかわからんけど、、。彩のことだけ見てていいんかな?」
『当たり前や。幸せにするから。』
こうして私達は始まった。
―――
私はあれから半年たった今でも美優紀が北川謙二と別れた理由は知らない。
美優紀に思い出させるのが怖くてずっと聞けなかった。
でも美優紀は私のそばで笑っててくれてるからそれでもいいと思ってた。
「さーやーか!!今日ランチデートしーひん?」
『ええで!どこ行きたい?』
「最近駅前にできたオシャレなカフェ行ってみたい!」
『よし!じゃあ行こか!』
私達は駅前のカフェまで向かった。
「お腹すいたな〜。」
『せやな。』
「あっ!あのお店ちゃう?」
美優紀が指さしたのは小さいけど小洒落たカフェ。
「はよ入ろ〜!」
笑顔で私の腕を引っ張る美優紀だったけど次の瞬間美優紀の笑顔は消え、動きも止まった。
カフェから出てきた男がこちらを向いて驚いた顔をした。
「美優紀、、久しぶり、、。」
「うん、、久しぶり、、。」
私は今まで1度も会ったことなかったけど美優紀の反応を見てすぐにわかった。
その男が"北川謙二"であると。
「、、じゃあね。」
「、、うん、、。」
北川謙二は私にペコっと頭を下げてその場を去った。
『、、美優紀、、?』
美優紀は呆然と立っていて私が顔をのぞき込むと笑って
「彩!行こ!!」
美優紀、、
顔が引きつってるよ、、。
私は美優紀に引っ張られカフェに入った。
「いらっしゃいませ。2名様でよろしいですか?」
「はい!」
「こちらへどうぞ。」
店員さんに案内された席に座ると美優紀はメニューを取り出して私に見せた。
「彩!見て!美味しそうだよ!!どれにするー?」
美優紀は動揺を隠しきれてなくて。
美優紀は顔は笑ってるけど目からは涙がこぼれた。
私は黙って美優紀の涙を手で拭う。
「え、、彩、、私、、泣いてるん?」
『そんなに強がんなや。泣きたかったら思いっきり泣けばええやん。』
私の言葉で美優紀は一気に美優紀の中で何かが切れたように泣き出した。