さやみるきー小説
□休戦協定
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ピンポーン
「はいはーい。みるきー!いらっしゃい。」
私は菜々ちゃんの顔を見た瞬間、一気に溜めてたものが溢れ出した。
『うわーんっ!菜々ちゃんっ!!』
「え、ちょ、みるきーどしたん?」
『彩ちゃんに、、っ、フラれてしもた、、』
「えっ、、。彩ちゃんに?」
菜々ちゃんは一度だけ彩ちゃんに会ったことがある。
私が紹介した時に。
その後も彩ちゃんのことは何度も相談してきている。
「、、まあとりあえず上がって?落ち着きや。」
『うん、、ありがと、、』
菜々ちゃんの部屋に行くと私は泣きながら今までのことを話した。
「せやったんか、、。」
『私、、ずっと彩ちゃん傷つけてきたんや、、。』
「、、、。」
菜々ちゃんは黙って自分の携帯を出し、私に見せニコッと笑った。
『、、?』
すると菜々ちゃんは誰かに電話をかけた。
「あーもしもし?菜々やけど。うん、あのな、今日の合コンのことなんやけど、1人連れていきたい子が増えてん。だからさ、4人ずつにできる?あ、できる?ほんま?助かる!ありがと!うん、うん、じゃあな、また後で!」
ご、、合コン、、?
『ちょ、菜々ちゃん、私合コンなんて、、。』
「みるきー。恋を諦めるには次の恋やで!」
菜々ちゃん、、。
私男の人興味ないんやけど、、。
いや、女でも彩ちゃんしか興味ない。
「合コンなんて、、って思うかもしらんけど案外楽しいで?素敵な出会いがあるかもしれんし!」
菜々ちゃんが笑顔でそんな事を言う。
菜々ちゃんが私のためにしてくれたことやから断られへん、、。
『、、わかった。行くよ。』
「よし来た!じゃあ一緒に準備すんで!」
―――
3時間後、、
やっぱり合コンなんてやめとけばよかった、、。
全然ノリについて行かれへん。
そんな時、ひとりの男が私にやたらくっついてきた。
「美優紀ちゃーん?全然飲んでないじゃーん!ほらもっと楽しんで♪」
『、、。』
だから男の人は嫌やねん。
その男は私の腰に手を回してきた。
急に触れられてビクッと反応する私の体。
「美優紀ちゃん、ホント可愛いよね!そんな可愛いのに彼氏いないんだ?」
もう嫌や、、。
『あの、、あんまりくっつかないでください、、。』
「えっ?もしかして照れてる?ちょー可愛い!あとタメで話して〜!」
照れてへんし、、。
もう嫌。我慢できひん。
私は立ち上がると菜々ちゃんの元へ駆け寄った。
『菜々ちゃんごめん。私帰るね。』
「みるきー帰んの?それなら私も、、。」
『菜々ちゃんは残っていいよ。まだ飲み足りんやろ?』
「でも、、。」
『私は大丈夫やから。』
「、、わかった。気をつけて帰り?」
『うん。』
これ以上菜々ちゃんに迷惑かけるわけにはいかない。
ひとりで駅まで向かっていると、、
「美優紀ちゃーん♪」
ハァっとため息がでる。
声の主はただひとり。
私にくっついてきたあの男。
『、、何ですか?』
「こんな可愛い女の子が夜遅くひとりでいたら危ないじゃーん!」
いや、、この人といる方が危ない気が、、
「トイレかと思ったら帰っちゃうんだもん。」
『私はひとりで大丈夫なんで。』
「まあそんな事言わずにさ〜」
男は私の肩に手を回してきた。
『もー。くっつかないでって言ってる、、、』
私は言葉を失った。
「美優紀ちゃん?」
だって、、
目の前に彩ちゃんが、、、。
彩ちゃんは一瞬こっちをチラッと見て驚いた顔をした。
けどすぐに目をそらされた。
そして彩ちゃんは私の横を素通りする。
なんで、、嫌や、、。
私が好きなのは今でも彩ちゃんだけやのに、、。
私はその場に泣き崩れた。
「ちょっと、、美優紀ちゃん?!えっ?何?どうしたの?!」
結局私は歩けないほど泣き崩れつきまとってきた男がタクシーを呼んでくれてそれで帰った。
意外といい人やったんかな、、
そしてその日は疲れきってすぐに眠りに落ちた。