おそ松夢 短編
□近所に住む彼
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「こんちわ〜」
「帰ってください!!!」
「えぇぇ・・!?ひどくない?俺今来たばかりだよ?」
午後一時過ぎ、家のチャイムがなり外に出てみると、そこには昨日の赤い人がいた。
「なんで来たんですか・・」
「昨日約束したじゃん?」
「約束はしてないと思いますが?」
確かに昨日、また明日などと言いながら帰っていったが、私は了承なんてしていない。
「いいじゃん少しくらい付き合ってよ?なんなら俺奢るよ?ちょうど小遣いもらったからさぁ」
「そういう問題じゃなくて・・・・」
結局、玄関でごちゃごちゃと話すこと30分。本屋に連れて行ってもらうことを条件に、一緒に出かけることになった。
「はぁ・・・・どうしてこんな目に・・・」
「なんでそんな顔してんの?」
「・・・・もうつっこまなくていいですか・・・?」
本当に悪気が無いのかわざとなのかわからないところが余計に困る・・・・。
「どうして私につきまとうんですか・・・・」
私がそう聞くと、彼は笑いながら言った。
「え・・・?なんかすごい気に入ったんだよね。おもしろいし可愛いし。君みたいな子好きだわ」
「・・・・・・・・」
「えぇぇぇ・・・!?なんでそんなに距離とるわけ!?」
私は彼から2メートルほど距離をとっていた。
「お引取りくださいうちにお金はありません」
「ごめん俺にもわかるように話して!?」
「誘拐ですか・・?それとも変なところに売りつけるつもりですか?」
「あ〜・・俺ナンパでそういう返しくらったの初めてだわ」
私なんかにナンパしてくるとか・・なんか裏があるとしか思えない・・・・。
「いやいや、普通にね?普通に仲良くなりたいな〜ってだけだから。あ、ほら!あれ、お友達からで〜みたいな?」
けらけらと笑いながら言った。
私はしばらく彼のことを疑りの目で見つめていたが、悪い人にも見えなかったので、結局、友達ならと了承した。
ここにきて、初めて自己紹介をした。彼は松野おそ松といって、六つ子の長男らしい。言われてみれば、お兄さんっぽい気がする。
「へ〜、苗字名前っていうんだ。名前ちゃんって呼んでいい?俺のことはおそ松でいいからさぁ」
たぶんこれ断ってもそう呼んでくるやつだ。
更に聞いたところによると、おそ松さんはニートらしい。というか、兄弟全員がそうらしい。
・・・大丈夫かこいつら。
「へ〜、名前ちゃんはフリーターなんだ。俺らと変わらないじゃん」
「一緒にしないでくれます!?バイトはしてますからね!?」
ごめんごめんと笑いながら謝る彼。本当によく笑う人だなぁ・・・・。
「で・・・?どこに行くんですか・・?」
どこに行くのか知らないまま、彼についてきてしまったが、どこに行くのだろう?
「へへへ・・・楽しいとこ」
「・・・・?」