ナンバカ夢 長編
□4.様子見
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ハーネスside
............。
ガチャリ
「お前ら朝だぞ...起きてるか...
。」
扉が開き、主任が入ってくる。朝の見回りと言ったところだろうか。
「おはようございます猿門さん。」
「おう。」
リャンがいち早く主任に挨拶をする。
「...おはようございます。」
「おう....っておい!!?ひでえ顔してんな!?大丈夫かよ!?」
私の顔を見るなり猿門さんが呆然とした顔をする。
「そうですか...?」
「そうですか...?じゃねぇよ!めちゃくちゃ目のしたクマだらけじゃねえかよ!」
「ぁぁ......。」
そりゃそうだろう...なんせ一晩一睡もできなかったからな...。新しい環境ということもあるし...何より...。
「たくよぉ...初っ端から体調崩すとかやめてくれよ...?」
主任は面倒臭そうに私を見下ろしていた。
「すいません...。」
「たくっ...。」
主任は腰に手をやりため息をつくと、急に眉間にシワを寄せ険しい顔をした。
「...?」
そしてツカツカと私を通り越し歩いていくと...
「てめぇはなんで寝てんだよ!!」
1人眠り続けていたチィーを蹴り飛ばした。
「うぎぇぇっ!?」
大声をあげてチィーが跳ね起きる。
「さっさと起きろ!」
「そうですよ!さっさと起きなさいクズ。」
「手厳しい!」
先程まで布団をたたんでいたウパまで、いつの間にかやってきてチィーを蹴り飛ばしている。
「ま...待ってくれ!チィーは昨晩、寝れない私に付き合って遅くまで起きていてくれたのだ...!」
そう、昨晩こいつは、寝付けずに起きていた私に「寝れないのか?」と声をかけ、しばらく話し相手になってくれていたのだ。まぁ、途中で眠ってしまったが。
「知るか!時間厳守だ馬鹿野郎!」
「そうですよ。わかったらさっさと起きなさいクズ。」
「ちょっ...リャン助け...」
「クマが酷いな...大丈夫か?」
「ぁ...ぁぁ。」
「無視!!」
リャンはチィーのことは空気のように扱い、私のクマの心配をしていた。