ナンバカ夢 長編

□4.様子見
1ページ/3ページ

ハーネスside

............。

ガチャリ

「お前ら朝だぞ...起きてるか...
。」

扉が開き、主任が入ってくる。朝の見回りと言ったところだろうか。

「おはようございます猿門さん。」

「おう。」

リャンがいち早く主任に挨拶をする。

「...おはようございます。」

「おう....っておい!!?ひでえ顔してんな!?大丈夫かよ!?」

私の顔を見るなり猿門さんが呆然とした顔をする。

「そうですか...?」

「そうですか...?じゃねぇよ!めちゃくちゃ目のしたクマだらけじゃねえかよ!」

「ぁぁ......。」


そりゃそうだろう...なんせ一晩一睡もできなかったからな...。新しい環境ということもあるし...何より...。

「たくよぉ...初っ端から体調崩すとかやめてくれよ...?」

主任は面倒臭そうに私を見下ろしていた。

「すいません...。」

「たくっ...。」

主任は腰に手をやりため息をつくと、急に眉間にシワを寄せ険しい顔をした。

「...?」

そしてツカツカと私を通り越し歩いていくと...

「てめぇはなんで寝てんだよ!!」

1人眠り続けていたチィーを蹴り飛ばした。

「うぎぇぇっ!?」

大声をあげてチィーが跳ね起きる。

「さっさと起きろ!」

「そうですよ!さっさと起きなさいクズ。」

「手厳しい!」

先程まで布団をたたんでいたウパまで、いつの間にかやってきてチィーを蹴り飛ばしている。

「ま...待ってくれ!チィーは昨晩、寝れない私に付き合って遅くまで起きていてくれたのだ...!」

そう、昨晩こいつは、寝付けずに起きていた私に「寝れないのか?」と声をかけ、しばらく話し相手になってくれていたのだ。まぁ、途中で眠ってしまったが。

「知るか!時間厳守だ馬鹿野郎!」

「そうですよ。わかったらさっさと起きなさいクズ。」

「ちょっ...リャン助け...」

「クマが酷いな...大丈夫か?」

「ぁ...ぁぁ。」

「無視!!」

リャンはチィーのことは空気のように扱い、私のクマの心配をしていた。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ