ナンバカ夢 長編
□8.消えない記憶
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ハーネスside
『......さんっ!!...お父さん...!!』
何度も叫び、何度も手を伸ばす。
『嫌だっ...!嫌だぁぁぁぁっ...!!!』
『いや......嫌ぁぁぁぁぁぁぁあっ!!!!』
「はっ......!!?」
目を覚ますと、周りではリャン達が寝息を立てていた。
「......夢...か。」
気づくと、酷く汗をかいていた。嫌な汗だ...。
「...?...ハーネス?...どうかしたんですか...?」
ウパがウトウトとしながら少しだけ体を起こした。どうやら起こしてしまったようだ。
「いや...大丈夫だ...。少し...嫌な夢を見ただけだ。」
「そうですか...。」
「ならいいのですが。」と言うと、ウパは再び横になり、すぐに寝息を立て始めた。
一度横になってみるが、目が覚めてしまっていて寝付けない。流石にここからは寝直せないだろう。
窓の外を見てみると、もうすでに外は明るくなってきている。
どうせもうすぐ主任が起こしに来るだろう。
とりあえず、横になったまま起きているか...。