ナンバカ夢 長編
□7.その頃リャン達は
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リャンside
「どうしましょうか...ハーネス達も行ってしまいましたし...。」
「そうだな...。」
ハーネスと猿門さんが行ってしまい、残された私達はどうするか考えていた。
組手の途中だったが、医務室に行かなくてはならないなら仕方がない。
「あれー?組手は終わったのか?てか、ハーネスはどうしの?」
チィーが欠伸をしながら歩いてきた。
どうせ今頃まで寝ていたのだろう。
「ハーネスは猿門さんと一緒に医務室に行ったぞ。」
「どうせ今まで寝ていたのでしょう、このクズ。」
「なんか手厳しい!」
ウパがげしげしとチィーの脛に蹴りを入れ始める。
「ちょ、痛いってウパさん!」
「ところで...さっきはどうでしたか?リャン。」
「無視!?」
チィーを無視して、私の方を向きたずねてくるウパ。さっきとは、きっとハーネスと組手をした感想を聞きたいのだろう。
「そうだな...見た目よりも、力も速さもあったと思う。途中で終わってしまったが、それなりに楽しめたぞ。」
こんなことを言ったら失礼だが、ハーネスは男にしてはかなり細い。まぁ...最初は皆女と勘違いしたくらいだ...。だが、そこからは想像し難かったが、それなりに強いようだ。
「次はもっとしっかりと戦ってみたいものだ。」
「そうですか...。僕も見ていましたが、意外と強かったですね。」
「僕も戦いたかったです。」と一言付け加える。寝ていたため見ていなかったチィーは、「ふーん...。」と興味があるのか無いのかよくわからない態度で話を聞いていた。
「ただ...。」
「どうした?」
「何か...違和感はありました。」
「......お前もそう思うか。」
ウパもどうやら同じようなことを感じていたらしい。
「確かにハーネスは動きもよかったし、速さも力もあったが...どこか動きに違和感を感じたな...。途中からかなり息も上がっていたようだしな...。」
なんというか...実力を出し切れていないようにも見えた...。
「猿門さんも同じようなことを言っていました。」
「...そうか。」
「...もしかしたら...何かあるのでしょうか...?今も、医務室に呼ばれていたようですし...。」
ウパは手を顎に当てて首を傾げた。
そうかもしれない...。もしかしたら、何か病気でも持っている可能性もある...。
「少し...彼には気をつけてやらないといけないかもな...。」
私の呟きに、ウパとチィーは頷いた。