ナンバカ夢 長編
□5.訓練場
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「そういえば、ハーネスは何か武術は嗜んでいるのか?」
走りながら、横を走るリャンに聞かれる。
「そういうリャン達は...?」
「リャンは拳法家です。僕は気功師です。」
「...そうなのか。」
どうやら二人とも武術家らしい。
流石は鍛錬の五舎と言ったところだろうか。
「もしかしてチィーも武術家なのか?」
そうは見えないが...。
「あいつは薬剤師だ。」
「そうか...。」
やはり武術家ではないか。まぁ、わかりきっていたが。
相変わらず建物の影で寝ているチィーを一瞥する。
「で、ハーネスはどうなんだ?」
「...私は...もともとは銃を使っていたが...多少は武術も嗜んではいる。」
ほとんどの仕事は銃だけしか使わないが、ただでさえ銃を使うのには筋力がいるし、それに...身を守るためにも...。
「そうなのか!?では、是非手合わせを願いたい!」
リャンが目を輝かせながら懇願してくる。
「せっかくなので、僕も手合わせをしてみたいです。」
「...手合わせか...。」
いいかもしれない。リャン達の実力も気になるし、体がなまってしまっているからな。久々に誰かと戦ってみたい。
ただ...大丈夫だろうか...私は胸元を抑え、息を整えた。
まぁ、そこまで大袈裟にやらなければ大丈夫だろう。
「わかった。私も手合わせをしてみたい。ちょうどいいだろう。」