Shine

□第3章
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「あれ、サトシくんじゃない」


森の中を歩いていたくるりとシンジは


オドシシに囲まれ地面に寝っ転がり泳ぐような動きをしているサトシとナエトルを見つけた

「使えない奴

ヒコザル、ひのこ」


ヒコザルのひのこでオドシシを薙ぎ払うシンジを見てサトシを助けるために・・・

そう思ったくるりは


「やっぱり優しいな」


と呟いた


そのままオドシシを捕まえたかと思えば、すぐ逃がしてしまった


「逃がしちゃうの、せっかく捕まえたのに」


もったいないな・・・なんて思うが


使う、使わないはその人の自由だから自分がとやかくいう必要はないだろうと思い直しくるりはそれ以上は何も言わなかった


*****


サトシたちより一足先に森を抜けた2人だったがまだタケシたちに出会っていないため、バトルは出来ずにいた


森の方がなにやら騒がしいのでそちらを見れば


そこにはリングマに追われるサトシたちの姿が


「下がっていろ」


シンジの支持に従いくるりはシンジの後ろに隠れる


シンジはヒコザルを出した


あのリングマを捕まえるのつもりらしい


「どけ!」


「シンジ!」

「あっ、アイツの後ろにくるりが居る」


リングマの前を走るサトシたちに叫ぶと


サトシたちも素直にリングマから離れる


くるりの姿を見たきらりはあっと声をあげた



ヒコザルを使い、リングマを捕獲したシンジ


今度はリングマをキープしておくようだった



そのままシンジとサトシはまたバトルするようだった


「きらり荷物持ってきてくれたんだね

それにコリンクのことも守ってくれて・・・ありがとう」



きらりからバッグとコリンクを受けとり笑顔になるくるりに


きらりはずっと気になっていたことを聞く


「なんで、アイツの上着なんて着てるの」


「これね、シンジくんが貸してくれたの、なんだかんだあの子、優しいいい子だったよ」


「あのねぇ」



2人がなんだかんだやっているうちにバトルは終盤に差し掛かっていた




バトルが終わりサトシに毒をはいて立ち去ろうとするシンジに今度はくるりが大声をあげた


「待って待って、上着忘れてるし、私とのバトルはどうなったの」


サトシとのバトルでシンジもそのことを忘れていたらしく、そういえばそうだったと、振り返る


「上着・・・やっぱりびしょびしょなんだけど・・・ごめんね」


「・・・」


上着に腕を通したシンジはその感触に顔を歪めた


その様子を見て、やっぱりかと思ったくるりが慌てはじめる



「やっぱり・・・洗って返すよそれ」


「いい」


「でも・・・」


「洗うって・・・どこで洗うつもりなんだ」


「えっ、と・・・ポケモンセンター・・・?」


「いつ、ポケモンセンターに行くっていうんだ」



「えっ・・・そ、それは

そうだ、私がシンジくんと旅すればいいんじゃないかな!」


「ダメだ、お前何を急に・・・」


「そんなのダメ、絶ッ!対!!ダメ!!!

こんな、嫌味なやつと旅だなんて・・・絶対ダメなんだから」


「今私はきらりの意見は聞いてないの」


シンジより先に大声をあげたのはきらり


だがきらりの声をさらりと流したくるりはそのまま続ける


「それなら、私とバトルもし放題だし

ね、どうかな」



その言葉を聞いたシンジは口をつぐんだ


そして少し考えた後・・・


「・・・好きにしろ」


と、少し疲れた声で返した。これ以上くるりと口論することを諦めたという感じであった。


「それって、ついて行ってもいいってことだよね

やったぁ

あ、じゃあそういうことだから・・・ごめんね、サトシくんきらりをよろしくね!」


根性で勝ったくるりは嬉しそうな顔で手を振った。そんなくるりにサトシたちは返す言葉も、引き止める理由も無かった
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