Shine

□第5章
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「オイ、待てよシンジ俺のバトルも見ていけよ」



サトシがシンジに声をかける、サトシはシンジの戦い方に不満があったようだから、シンジとは違うやり方で勝とうというつもりらしい…が



「ハッ」



「何がおかしい」



「負けるところを見て欲しいのか」




「何ィ!?」



「そこまで、1度はバトルした相手でしょ見ていってもいいじゃない」



「ハイハイ、ストップストップー!!ケンカはそこまで!」



またヒートアップし始める2人の間に
ヒカリとピカチュウが割って入って止めに入る。くるりもため息混じりに二人の方へ歩み寄る。



まったく、どうしてこの2人はこうもケンカばかりするんだろうか確かに考え方は真逆といってもいい、それでも違う考え方の人間がいる事なんて普通なのに


どうしてこの2人はお互いを分かり合おうとしないんだろうか、男の子とはそういうものなんだろうか


自分には分からない何かがあるのかもしれないなんて、サトシとシンジのやりとりを見ているといつも考えさせられるくるり




彼女が苦労せずにに済む日はいつ訪れるのだろうか





「・・・」



「な、何よ」


何も言ってこず、じっと睨んでくるシンジに怯みつつもヒカリが尋ねる


「お前・・・誰」



「失礼ね、ヒカリよヒカリ前に1度会ったことあるでしょう」


「覚えてない」


「まったく、全然かわいくない!!アンタちょっと失礼じゃない!?



謝んなさいよー!!コラコラコラーッ!!」



「まぁまぁ、落ち着けヒカリ」


「止めに入ったヒカリちゃんまでケンカ始めたら元も子もないでしょ、落ち着いて」



「ごめんねヒカリちゃん、多分悪気はないんだと思う・・・


もう、シンジくんも
どうしてそういう言い方するかなぁ・・・」


今度はヒカリの怒りが爆発し慌ててタケシときらり、くるりが仲裁に入った


「本当のことを言っただけだろう」



「もう、だからそういうのがダメなの


・・・っていうか前にケンカはしちゃダメだよーって、約束・・・したよね」



「・・・覚えてない」



「わ、忘れないでよ・・・」



「ちょっとアンタ本当に何なの!こりゃあヒカリが怒って当然よ!



さっきから黙って聞いてりゃアンタねぇくるりのこと何だと思ってるの!毎回止めに入るあの子の気持ち考えたことあるのっ!?」



今までヒカリを宥めていたきらり自分はヒカリに「仲裁に入って、自分までケンカ始めたら元も子もない」なんて言っておいて、姉のこととなると自分だって人のことを言えないのに、よく言えたものである


「おい、きらりさっき言ってたことと真逆じゃないか・・・お前までケンカを始めたら困るのは俺とくるりなんだぞ」


「だって・・・コイツ、コイツ・・・!!」



「きらり・・・くるりが大事だから、怒ってるんだよね、その気持ちもわかるけど・・・今はちょっと抑えようよ?」



怒りのあまり興奮してうまく気持ちを口にできないきらり、ただ、怒りに震える手でシンジを指さし同じ言葉を繰り返している


その様子ににさっきまで怒っていたヒカリも、きらりの怒る姿を見ているうちに冷静になったようでタケシのきらりを宥める声に、“自分もこんな感じだったのか・・・”と反省しているようだった


その声ですら、怒りに染まったきらりの頭には響くことなくむしろ周りに自分の気持ちが分かってもらえないと、怒りを掻き立てるだけだった



腰の位置で握り締めた拳が徐々に上がっていく


行き場のない怒りを拳に込めてぶつけようとしたとき


くるりの手ががその手を優しく包み込んだ


「もういいんだよきらり


私のことで、怒ってくれてありがとう


でも私、能天気だし、気にしてないから大丈夫だよ、それより私きらりとシンジくんがケンカする方が嫌、だから・・・もうやめてくれないかな」

ギュッと自分の手を握りしめ笑顔を向けるくるりを見ているうちに段々きらりの頭も冷静になってきていた


そうだ、昔からいつだって、お姉ちゃんは自分のことより私のことを気にかけてくれた、ケンカが嫌いだったそんなお姉ちゃんのことを困らせてるのは自分なんだ


頭が冷静になっていくと同時に罪悪感から胸が痛むきらり


それは決して自分が暴言を吐き捨てたシンジに対してではなく、その様子に心を痛めた姉に対するものだった



アイツのことは、絶対に許さない
でも、お姉ちゃんの嫌がることはしたくない、今はもうやめよう・・・


「・・・ごめん・・・」



俯きながらポツリと呟くきらり


その言葉にタケシ、ヒカリ、サトシもホッとする


「お騒がせしてすみませんでした」


そう言ってヒョウタ、イワオの方に頭を下げるきらりに対し

ヒョウタは怒る様子もなく


「いや、仲直りしたみたいで良かったよ
それにしても仲のいい姉妹なんだね」


ときらりとくるりに笑いかけると、くるりは少し照れくさそうにはにかんだ


「よかったね」


ヒカリがきらりたちの隣に駆け寄り微笑むと2人も笑顔で「うん」と返した


それを見ていたヒョウタが今度はシンジに問いかける


「それで、君はどうするんだい?」
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