Shine

□第6章
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ハクタイジムに挑戦・・・する前に通り道の途中にあったキャンプ場に立ち寄ったシンジとくるり。



ここには腕自慢のトレーナーたちが集まっているということでそれを聞いた二人はシンジのジム戦に向け戦力強化も兼ねてバトルをしに来ていたのだ。


そんな時聞いた噂に惹かれ、噂のトレーナーを探していた



「そんなに凄いトレーナーがいるなんてね、楽しみだよね」


「あぁ、なんでももうすぐ50連勝になるらしい」


「ええっ、それは期待できるね・・・うわぁっ!?」



吊り橋を渡りきったところで今まで楽しそうに話をしていたくるりが声をあげる、その理由は突然茂みからナエトルが飛び出してきたからだ。飛び出してきた・・・といっても普通の飛び出し方ではなく後ろ向きに飛んできて、そのままバタリと地面に倒れ込んでしまった



「ナエトル!大丈夫か!?」



続いて、ナエトルのトレーナーと思わしき少年とビッパを抱いた少年が走ってきた


「くそーっ、覚えてろよーっ!!」


そう茂みの向こうに叫んだかと思えば吊り橋の向こうへとポケモンを抱かえたまま走り去ってしまった



「もしかして、あの二人もその凄いトレーナーに敗れて・・・」


「ああ、そうらしい」


そう言って口角をあげるシンジ、きっと彼も強いというそのトレーナーに、期待しているんだろう


茂みの奥には細めの道らしき、草木の生えていない、人の通れるところがあったそこを歩いていくとすこし開けた場所に着いたそこにまちうけていたのは二人のトレーナー


噂のトレーナーは彼らに違いない



「おおっ、おいイサム次の挑戦者が来たみたいだぜよっしゃァ!」


「次で50連勝目、このままガンガン勝ちまくるぜ、うっしゃァ!」


「うわぁ、マグマラシにアリゲイツだ〜可愛い〜ッ!!


ねぇ、この子たち君のポケモン?」




二人のそばにいたマグマラシとアリゲイツに釘付けになるくるり。ジョウトを旅していた時に妹が育てていたマグマラシを思い出し懐かしい気持ちになっていた



「で、どっちが噂のトレーナーなんだ」


「両方さ!オレ達はタッグバトルは最強なんだぜうっしゃァ!」



「オレ達、タッグバトル以外はうけねぇんだぜ、よっしゃぁ!」



双子の暑苦しさに段々シンジの眉が上がり始める


明らかにイライラしている、こういう熱血キャラは苦手らしい




「オイ」



「はいはい、言われなくともわかってますよタッグ組むんでしょ!


私もバトルしたかったし、大歓迎だよ」



「オレ達はコイツらでいくぜ、うっしゃァ!」


「お前らはどんなポケモンでくるんだ、よっしゃぁ!」


「ふぅん・・・マグマラシとアリゲイツ・・・シンジくんは誰でいくの?」


「俺はコイツでいく

マニューラ、バトルスタンバイ!」


「マーニュゥ!」


「なるほどねぇ、ハクタイジムに向けてマニューラの調整というわけか・・・じゃあ私は、この子で・・・

ミミロップ!」


「ミミ!!」


モンスターボールから華麗に飛び出したのはミミロップ、様々なタイプの技を覚えていて、機動力、スピードも申し分ないミミロップなら連携も上手くいくだろう


「先行はは譲るぜ、かかってこいよ」


「ふぅん、そんな事言って、後悔しても知らないよミミロップ!マグマラシに水のはどう!」


「マニューラ、アリゲイツにメタルクロー」


「アリゲイツ!かみつく!」


「マニューラ引きつけろ!」


その場でストップするマニューラにアリゲイツはドンドン近づいてきて、アリゲイツがその大きな口をひらきジャンプしたてマニューラに迫った、そのとき



「体制を低くして避けろ!」



素早く身体を下げかわすマニューラ、アリゲイツは勢い余って地面に突っ込む



「アリゲイツ!!」


「メタルクロー!」



その隙を逃さず確実にメタルクローを当てるマニューラ

地面に突っ込んだ上にメタルクローもクリーンヒット、アリゲイツには大きなダメージを与えられただろう


「マグマラシ!かえんほうしゃ!」


マグマラシはかえんほうしゃを撃とうとするも、いとも容易くミミロップにかわされ、反対に相手の水のはどうがクリーンヒット


効果はバツグン、こちらも中々のダメージになっているハズだ



「マグマラシ!!」


「そんな速さじゃ当たらないよ!」


「何ぃ・・・クソッ!」


「マグマラシに水のはどうはツライな・・・ミミロップは俺に任せてお前はマニューラを!!」



「あぁ、わかった

マグマラシ、マニューラにむかって火炎ぐるま!」


「ふぶきでうけとめろ」


火炎ぐるまで突っ込んでくるマグマラシ相手にマニューラはふぶきでうけとめ勢いを殺す


ふぶきで勢いを殺され、スピードを失った火炎ぐるまは簡単にかわすことが出来た


「マニューラ、冷凍ビーム」


「マグマラシ!!かえんほうしゃで迎え撃て!」


かえんほうしゃと冷凍ビームがぶつかり合う、激しいぶつかり合いを制したのはもちろんかえんほうしゃ

かえんほうしゃをもろに食らうマニューラ。このダメージはかなり痛い



「アリゲイツ、ミミロップにむかって
ハイドロポンプ!!」


「ミミロップ、ダッシュからのジャンブ!!」


素早いダッシュから、華麗なジャンプでハイドロポンプをかわすミミロップ、動きの一つ一つに美しさが見て取れるのはコンテストバトルでの経験からだろう



「そこから10万ボルト!」


「かわせ!アリゲイツ!」


「シンジくん、マニューラをちょっとの間伏せさせて」



「何をする気だ・・・」


「アリゲイツとマグマラシが宙にいる今のうちに早く!!」


「マニューラ伏せろ!」


「ミミロップ、そのまま回転!!」



マニューラが伏せた後すぐ様ミミロップが回転し始める


回転しながら撃つことで10万ボルトが四方八方に飛び散りアリゲイツとマグマラシに当たる


宙にいるアリゲイツ、マグマラシはうまくかわすことができずに10万ボルトを受ける


これもまたコンテストで磨いた技術だ



「アリゲイツ!!」


「マグマラシ!!」


「回転やめ!」



くるりの指示でピタリと動きを止めるミミロップ、この技の弱点それはずっと回り続けていると、ミミロップの方がフラフラになってしまうため、使用できる時間が短いということだ


バタリと地面に倒れ込むアリゲイツとマグマラシにむかってすかさずシンジがマニューラに指示を出す



「マニューラふぶき

ミミロップのことは気にするな、撃て!!」



躊躇うマニューラに叫ぶシンジ



ミミロップの速さならかわすことくらい容易いことだが、果たしてそれをわかっていて撃ったのか・・・それとも…



「アリゲイツ!早く立ってかわせ!」


「マグマラシ立てっ!」



「ミミロップとびはねる!アリゲイツを踏み台にして高くジャンプして!」



くるりの言う通り近くで起き上がろうとしていたアリゲイツに向かって走り込みその頭を踏みつけ、勢いを付けとびはねる


その勢に耐えかね、アリゲイツはバランスを崩しまた倒れ込む


「マグマラシ!火炎ぐるまでアリゲイツをまもるんだ!」


「マグゥ・・・」



立ち上がりアリゲイツの前に立ち塞がるマグマラシ、火炎ぐるまによってアリゲイツにらふぶきはあたらずダメージにはならなかった

そこへ



「ミミロップ!アリゲイツを狙って!」


ミミロップが上から落ちてくる、それに合わせてマニューラもふぶきをやめる


ミミロップのとびはねるをくらったアリゲイツは吹き飛ばされる


「マグマラシにドレインパンチ!」


「マニューラ!アリゲイツに向かってメタルクロー!!」


ドレインパンチがマグマラシを、メタルクローがアリゲイツを襲う


ミミロップに蹴飛ばされたアリゲイツはバランスを崩し隙だらけの状態。そこへマニューラのスピードなら必ず当たるだろう


「マグマラシ!アリゲイツが起き上がるまでかええんほうしゃで時間を稼げ!」


「アナタの相手はこっち!!行っけぇ!!」


猛スピードでダッシュするミミロップのスピードにマグマラシは追いつかれてしまい、そのままあっけなくドレインパンチをうける


マニューラもマグマラシがミミロップに気を取られているうちに距離をつめる。



マグマラシのスピードもなかなかのものだったががマニューラほどではない、さらに一瞬出遅れたため、かわすことはできない


予想通りメタルクローがヒットし飛ばされるマグマラシはそのままアリゲイツにぶつかる



そして二体は・・・




「そ、そんな・・・」


「嘘だろ・・・」




ー 戦闘不能 ー



「やったあ、イェーイ!!」




そう言って、ハイタッチしようとシンジの方を向いて腕を伸ばすくるり

その様子に「何だ」とシンジが尋ねた


「ハイタッチだよハイタッチ!!二人で力を合わせて上手くいったらハイタッチ!普通はするでしょ」


それにくるりも「何言ってるの〜!?」と返す


そう言われて、ポカンとした後自分の手のひらを少しだけ見つめて腕を軽く伸ばし触れるだけのハイタッチをした


その様子にくるりも満足そうだ



「負けたよ・・・君たち強いんだな」


「タッグバトルは何度かしたことあるのか?慣れてるってかんじだったけど」


「え、二人で組むのは初めてだよ

他の人とならあるけど」


「へぇ、初のタッグであの連携はスゴイな

君たち、いいコンビだな」



と、タッグバトル最強と言われていた(この辺で)双子に褒められてしまった






****





「いいコンビだって、しかもタッグバトルで連勝してきた兄弟に褒められたんだよ!!」



満足げにシンジに話しかけるくるり褒められて相当嬉しかったらしい


「あの程度で最強とはな・・・期待して損だった」


「まぁ・・・タッグバトルをする機会なんて滅多にないし、いい経験だったんじゃないかな」



くるりの今回一番の報酬はシンジとの連携が噛み合ったこと・・・だろう、いつも自分勝手に振舞っているあのシンジが自分に合わせてくれた、それだけで充分満足だったのに、バトルに勝ち、そして"いいコンビ"とまで言われた、くるりは大満足である



「お前のミミロップ・・・早かったな」


敵に回すと厄介そうだ、と呟くシンジ


・・・ポケモンのこととは言えシンジに褒められたことにとても嬉しく感じたくるりは更に気をよくしたのか自信ありげな顔で


「うちの子は強いよ!シンジくんにも、負けないくらいね!」


と応えて笑った
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