Shine
□第7章
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自然公園という、シンオウ時空伝説に関係するのある公園の近くに来ていたくるりとシンジの二人、自然公園にシンオウ地方のチャンピオンのシロナが来ていると聞きつけ自然公園にやってきた
そこで偶然出会ったのはサトシたち
「シンジ、くるり!!クロガネジム以来だな
シンジお前、あれからバッジいくつになった?俺は2つゲットしたぜ」
「お前に報告する必要はない」
「え、あ・・・」
「相っ変わらずの態度ね」
ムッとした表情で、腰に手を当てるヒカリクロガネジムでの一連以来ヒカリの中でのシンジの印象は以前よりも悪いようだ
シンジにサラリとあしらわれ少し残念そうにするサトシ、その姿に可哀想に思ったくるりがサトシの肩にポンと手を置いて声をかけた
「ごめんね、サトシくん
それと、バッジゲットおめでとう」
「なんでアイツのことで、くるりが謝らなきゃいけないのよ・・・」
自分が謝りなさいよねときらりが不愉快そうにつぶやいた
サトシを軽くあしらった後、そのままシンジはシロナの方に歩いていき声をかけた
「シロナさんですね」
「ええ」
振り返ったシロナの美しさに改めて魅了されるくるり
がすぐにハッとして
ダメダメっ、私が憧れるのはカトレアさん・・・シロナさんもキレイな人だけど、私の一番はカトレアさんなんだから
とイッシュ地方の四天王、カトレアの姿を思いだしながらいけない、いけない、と軽く左右に首を振った
それにしても・・・こんなにも美しくて、ポケモンバトルも強いなんて・・・
「世の中は理不尽ね」
と自分も結構ほかの人から見ると理不尽なのだとは知らずにポツリと呟いた
一方シンジの方はというと、チャンピオンに動じることなく堂々と
「俺はトバリシティのシンジと言います、ポケモンバトルをお願いします」
とバトルを申し込んでいた
サトシたちは勿論周りだけでなく、くるりまでもが驚いていたいつも、突拍子をない大胆な行動ばかりするし、何を考えているのか理解に苦しむ行動ばかり起こしてきたシンジだが
多少なりともくるりは理解できている・・・と思っていた、しかし今回ばかりはくるりですら理解の許容範囲を超えていた
慌てて止めに飛び出すくるり
「ちょ、ちょちょっと待ってシンジくん!!あ、相手が誰だかわかってるの?チャンピオンよ、チャンピオン!!
頭大丈夫?熱ない?誰かと間違えてない?」
そう言って慌てふためくくるりにシンジがイラついた声で返す
「・・・間違える訳がないし、俺の頭は正常だ」
そう言ってあからさまに怒った顔をするシンジ
くるりの"頭大丈夫?"という言葉にカチンときたらしい
「そっちの子はお友達?」
自分を放置して話す二人にシロナが笑顔で問いかける
「は、はじめまして、私っカントーのマサラタウンから来ましたっ、くるりって言います」
おどおどしながらもしっかり挨拶し、ペコリと頭を下げるくるり
「そう、カントーからシンオウに・・・随分遠くから来たのね」
そう言ってニッコリと微笑むシロナにまたうっとりとするくるり
な、なんて美しいんだろう・・・
「二人はシンオウリーグに挑戦中なの?」
「はい」
「はひっ!」
チャンピオンを前にタジタジになり舌が回らないくるりに比べ、シンジは堂々としている
こんなことになるなら、どうせ止めてくれないんだし無理に止めに来なければよかったと、くるりは恥ずかしくなってきていた
「なるほど、どうやら他のリーグを転戦してきたようね
いいわ、挑戦を受けましょう」
そう言ってニコッとシンジに微笑みかけるシロナ
隣にいるくるりに目線を移して
「あなたもどう?」と声をかけた
「め、滅相もないです!!チャンピオンとバトルだなんて・・・!!」
多分、バトルしたとしてもプレッシャーに耐えられる気がしないし全力は出せないだろうと考えたくるりは身を引いて、今回はシンジの応援に徹することにした
「そう、残念ね
じゃあ、シンジくん始めましょうか」
「ハイ」
ヘトヘトとギャラリー側に戻ってきたくるりにサトシたちが声をかけた
「オイオイ、くるりもったいないじゃないかー、なんでバトルしなかったんだよー」
人事だと思い呑気に言ってくるサトシにくるり怒るような口調で言う
「だって、相手はチャンピオンよ!?それにこの完全アウェーな状況で、この重圧に耐えられると思う?サトシくんなら大丈夫かもしれないけど
私は無・理・で・す!!」
「でも、せっかくシロナさんの方から誘ってくれたのにね」
「失礼かもしれないけど・・・緊張しちゃって本気出せないだろうし、無様な負け方して笑いものになるくらいなら、チャンピオンの誘いを断る不届き者の方がまだマシよ・・・」
ヘトヘトと疲れた様子でそう言うくるりの横で「俺もバトルしたかったなー」なんて、サトシは呑気というかなんというか
でもまあ、自分みたいに考え込んだり緊張したりしないんだろうな・・・そこは羨ましいかもなんてくるりがため息をつく、それはサトシではなく、自分に呆れて思わず出たため息だった
「ほらくるり、シンジのバトル始まるぞ
ちゃんと応援してやらないと」
タケシに言われて顔を上げるくるり
「使用ポケモンは、六体でいいですか」
「結構よ」
チャンピオン相手にフルバトルを挑むシンジに、周りからは批判の声が飛び交う、批判とは言っても全てチープなものであったがそれを聞いたヒカリときらりは
「すっかり悪役扱いね」
「・・・悪役って感じの性格してるしね」
と言った
「自分たちは声をかける勇気すら無いくせに、嫌な感じね」
その言葉に反論するように不満気につぶやくくるり、しかし彼女だってこの状況でチャンピオンに挑む覚悟なんてないわけだから、あまり人のことは言えたもんじゃない
「だがシンジのことだ、チャンピオンのバトルは十分研究しているだろう」
「私もしっかり見て、勉強しないと」
真面目な顔でシンジとシロナの方を見つめるくるり
批判の言葉が絶えず飛び交う中、チャンピオン対シンジのバトルは始まろうとしていた