サクラドロップ

□悲しみと…そして…
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数日後。
ムツキ達はいつもの万年桜の下で、くつろいでいた。
(つまらないなあ〜。)
っと思うミコトは何かを思いだし、提案を2人に話す。
「ねえ、いい事を思いついたんだけど。賞金稼ぎするのはどお?」
ムツキとカイはミコトの方を向くと、2人一緒になって言った。
「はあ⁉」
突然のミコトの言葉に、驚く2人。

「だってアパートの家賃を払う為にも、やってみない?」

カイは言う。
「俺はパスな。俺は野宿してっから家賃なんて関係ねえし。」
ムツキも言う。
「俺は…家賃を払う金あるから、やる気ない。」

「もー。2人してー!ただ此処に居るのも、つまらないんだもん。」

ムツキとカイは同じ事を思った。
(根元はそこかよ。)

ミコトはほおを膨らまし、駄々をこねる。
「ヤダー!絶対にやるのー!1人でやるのヤダー!」
ムツキは困る。カイは言う。
「お前、そんな駄々を言うような歳じゃあないだろ?」

「子供は子供よ。まだ10代なんだから。ねえームツキ。」

困りながらもムツキは言った。
「此処に居る全員が10代後半だろ!もう、うるさいから分かったよ。カイも付き合えよ。」

「まじかよ…。」
カイは無理やり付き合わされる事になった。一方、ミコトは喜ぶ。


3人は住宅街から出って、とあるビルに着く。ビルの前に立ち、ビルの上に書いてある看板をムツキとカイは一緒に声を出して読んだ。
「探偵事務所⁉」
ミコトは笑顔で説明する。
「此処で、賞金稼ぎを雇いたいって広告があったの!」

ムツキとカイは冷めた様な顔でミコトを見た。とりあえず、入って見る事にした。探偵事務所は1番上の階で、エレベーターに3人は乗り、15階に着く。目の前には扉があり、静かに扉を開けて入って行くと、テーブルとソファが向かい合ってソファが二つある。その奥には、テーブルがあり、イスに座ってせかせかと書類に向かっている男が1人いた。

「あのお…すみません。賞金稼ぎの募集している広告を見って来たんですけど…。」

っとミコトが言った。
ムツキは男を見るなり、急いでフードを被り下を向く。男は3人の方を向いて
言った。
「おー。まさか、あの広告で来るとは思わなかったよー。」
すると、男は立ち上がり3人の方へ向かって来る。ムツキは焦る。
「あっ!自己紹介しないとね。俺はレンって言うもんだ。お前達は、賞金稼ぎになりたいのか?」

「ハイ!」

元気にミコトは返事した。後の2人は元気なく返事した。レンは早速、3人に依頼を頼む。
「最近、住宅街で刃物で切った様な跡が民家や壁にあるらしい。いつ、その犯人が人を襲うかは分からないから、とりあえず、そいつを捕まえられたら雇ってもいいぞ!」

「了解です。」
ミコトは元気にそう言うと、扉を開けて出て行く。カイは急いで後を追う。ムツキも行こうとすると。
「ちょっと待て。」
レンに呼び止まられる。ムツキは焦る。

「いや…そんなはず無いか…。悪い、勘違いだ。」

ムツキはそっと後にした。
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