サクラドロップ

□情報屋と奴隷
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3人は賞金稼ぎをする為に、探偵事務所へ行くのだが、レンは居ないうえに依頼も着ていない。3人は探偵事務所から出って、外へと出た。

「あー、何でレンさん居ないのよー‼しかも依頼も無いし、暇よ暇ー!」

ミコトの口をすかさず手で、カイがおさえる。
ムツキはミコトに向かって言った。
「おまえは、うるさい‼近所迷惑になるし、恥ずかしい…。」

ミコトの口の手をカイはどけた。

「だって、暇なもんは暇よ!」

「だったら、いつものように公園でのんびりと…。」

「やだ!」

ムツキは怒りだす。

「俺はのんびりしたいんだ!この駄々子め!」

カイは呆れながら言った。
「ムツキもミコトと変わらないなあ。何言いあってんだか…。」

(それよりも、ムツキってこんなキャラだったけ⁉)

カイは2人がいがみ合っているので、その仲裁に入る。
「2人共…、言い合いはやめろ!だったら取り合えず、街をぶらぶら歩こう。」


そう言う訳で、3人は街をぶらぶらと歩くのだが、ミコトは納得いってないみたいだ。


「ねえ!そこの3人組!」

突然、背後から声がしたので振り返ると、少女が堂々とした表情で腰に両手を当てている。

「ちょっと聞きたい事があるんだけど!」

そう言ってくると、近寄って来ると同時にカイは焦りだし、様子がおかしい。

「あれ?あんたもしかして…、カイじゃあない‼何やってたのよ!こっちはあんたの事を必死になって探してたんだから!」

ムツキとミコトは突然の出来事で、状況が飲み込めていない。

「ねえ、カイ。この子誰?」

ミコトが聞いたのだが、カイは答えない。

「私はアスナよ!あんた達こそ何なの?カイを連れ回して。」

「私はミコトで、隣に居るのはムツキ。別に連れ回してもないけど!」

アスナは顔をそっ方に向けて、ミコトの事を睨みつける。

「あんた、生意気ね。」

ミコトはその言葉に怒ったらしく、アスナの目の前に立つ。

「あんたこそ、何その態度!初めて会った相手に向かっていう言葉なの!」

2人は睨み合う。すると、アスナは後ろを向く。

「何か言ってやってよ!兄さん。」

誰かが、近づいて来る。

「いやー。妹が迷惑を掛けているみたいで、すまない。」

髪を後ろに束ねた男が、そう話し掛けてきた。

(自分達よりも歳上そうだ。アスナって奴は俺達と変わらない歳かあ。)
そうムツキは分析した。

「突然ですまないが、そこに居るカイを返してもらいたいのんだけど…、いいかな?」

突然の言葉にムツキは疑問を抱く。

「カイを返してもらいたいって言うのは、どういう意味だ。」

「そのままさあ。元々彼は僕の物なんだからね。」

「そうよ。元々はカイは兄さんの奴隷なんだから。素直に返すのが身の為よ。」

ムツキは拳を握りしめた。

「カイは物なんかじゃあ無い!」

「僕に逆らう気かい?逆らうと、どうなるのかはカイが知ってるよね⁉」

カイは言葉を詰まらせながら、言う。
「分かってます…。俺は…戻りますから…2人には何もしないで下さい。」

「良い子だ。じゃあ帰ろう。」

ムツキとミコトから背を向けて、カイはそいつに着いて行こうとする。

「待てよ!おまえは、それでいいのか?」

カイは振り向かずにそのまま行ってしまった。

「じゃあねえー。バーカ‼」

アスナはそう言い残し、2人と一緒に行く。

ミコトは後を追いに行こうとするが、ムツキがミコトの腕を掴む。

「何で…なんでよ!後を追わないと、カイが行っちゃう‼」

「分かってる‼でも、今じゃあない。夜になったら、あいつらの居処を探しだして、カイを連れ戻す!」

ミコトはうなずいた。
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