サクラドロップ
□大好きだよ…。
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万年桜の下で、ムツキ達はのんびりとしていた。
「おーい。」
ムツキ達が声のする方へと顔を向けると、アスナが向かって来ていた。カイがアスナに話しかける。
「どうしたんだ⁉」
「実は情報があって、街の中心部で人が次々に傷つけられてるっていう、事件があったみたい。」
ミコトは目を輝かせていた。
「よーし、その犯人を見つけようじゃあない‼」
ムツキとカイは呆れる。
「今回は依頼じゃあないんだし、やめといた方がいいんじゃあないかあ?」
ムツキがそう言うと、カイも言った。
「今回は人が傷つけられてる事件だ。やめといた方がいい。」
「2人して!だって、誰かが、何とかしなきゃ、しょうがないでしょ⁉」
2人は言い返せなかった。アスナも乗る気だ。
「私も行く!情報屋として…いや、1人の人間として、何とかしたい事件だから。」
仕方なく、ムツキとカイは了解した。
アスナが言う。
「じゃあ、夜に行きましょ!その事件が起こるのは夜だから。」
夜まで4人はのんびりと、する事にし
た。
夜。4人は街の中心部へとやって来た。
以外にも人は少ないが、横切っていく。
「これじゃあ、事件が起きやすいな。」
カイがそう言った時だった。奥の方から叫び声が聞こえた。4人は急いで声のした方へと向かう。人々は4人とは逆方向へと逃げる。
向かった先には、倒れている人は居ない。ただ、2人の男ともう1人はフードを被った奴がいた。2人の男の内、1人はヤリを武器に持っている。もう1人の男は身長が高く、筋肉がある。
「ほ〜!ガキがこんな時間に何やってんだ⁉」
1人の男が聞いてきた。ミコトが言い返す。
「あんた達が、事件を起こしている犯人なの⁉」
「あぁ〜。アレは全部嘘だよ。お前らを呼び寄せる為のウッソー‼お前らには情報屋がいる事は知ってるから、それを逆手にとったて訳さ。」
4人は唖然とする。アスナが焦りながら言った。
「そんな事…ならなんで、そんな情報が入って来るの⁉」
「人の噂て、怖いもんだゼ。直ぐに廻るからなぁ。」
ミコトが男に聞く。
「なら何で、私達を誘きだした訳!何の目的で…。」
そう聞くと、男はヤリを構えてムツキへと向かって行く。ムツキはとっさに、ヘッドホンを剣へと変え、受け止める。
「目的⁉俺らの目的は、こいつだよ‼」
ムツキは相手の力で、押し出さされる。見ていたミコトとカイとアスナは、ムツキの元へ行こうとするが、もう1人の男が3人の行く手を邪魔してきた。カイは、くないを構える。アスナはムチを構えた。ミコトは武器は無いが、拳を構える。
一方、ムツキは力を弱め、避ける。
「何の為に俺を狙っているんだよ‼」
「それは、これから分かる事だ。」
ムツキと男はぶつかり合う。
ムツキ以外の3人も苦戦していた。カイは、くないで傷を付けようとするも、避けられてしまう。アスナのムチも当たらない。ミコトの蹴りも当たるが、全く効いていない。3人は息を切らす。
ムツキは何回も相手の攻撃を避ける。
「ハァ〜。そんな簡単には行かないかぁ。なら…。」
男はフードを被って居る奴に手招きする。そいつが近づいて来る。
「久しぶりだね。ムツキ君…。」
その声に聞いた事があっるムツキだが、その声を思い出せなかった。
「おまえは、誰だ!」
ムツキがそう言うと、フードを取った奴は顔を見せた。ムツキは目を疑った。
「シズク…なのか⁉」
呆然として体が動かないムツキは、男に背後をつかれ、首元に勢いよく、叩き付けられる。ムツキは意識を失ってしまった。男はムツキを担ぐ。
「おい!行くぞ!」
そうもう1人の男に声をかけた。3人が行こうとする。ミコトとカイとアスナは、息を切らしていた。
「待ちなさいよ…あんた達…ムツキをどうするつもりよ⁉」
ミコトが言うと、男が言ってきた。
「悪いようにはしない。まあ、こいつ次第だけどな。」
そう言うと、去って行く。
3人は動けなかった。