サクラドロップ

□花火大会とドラゴン
1ページ/5ページ

あれから数日後。
ムツキは万年桜の下で、寝そべって寝ている。

一方、ミコトとカイは探偵事務所にいた。2人で依頼をやる事にした。レンは2人に聞いた。

「ムツキはどうした⁉まだ、引きずってるのか?」

ミコトが言う。
「ムツキに一緒に行こうよ。って言ったんだけど…行かないって言って…まだシズクの事について、引きずってるみたい…。」

「まだ、時間がかかりそうだな。まあ、待つしかないな。」

話しを変える。
「でだ、今日の依頼は花火大会の警備だ。今日は街に人が集まるからな。もしかしたら、そこを狙って人を襲う奴も居るかもしれないからな。」

ミコトとカイは頷いた。



一方、ムツキは目を覚まし、街を眺めていた。そんな時だった。背後からムツキの後頭部に、何かがぶつかってきた。

「いっ…てぇ〜。」

ムツキが後ろを振り返ると、そこには白い中位の大きさのトカゲの様なものがいた。ひっくり返っていたが、起き上がり、頭を抱えて座っている。

「痛い〜痛い〜。」

と、喋った。ムツキは驚いた。思わずトカゲの様なものの方へと向く。すると、ムツキの方を向いた。睨んでくる。

「なんだ!おまえ…何、僕の事をジロジロ見ているんですか!」

「ジロジロって…てか、トカゲが喋ってる‼」

「僕はトカゲじゃあないです!ドラゴンです!僕の手を見てください。ちゃんと翼があるでしょ!」

よく見てみると、翼と手が繋がっている。

「確かに、ただのトカゲじゃあないな!」

「だから、トカゲじゃあないです‼」

「分かったって…でも、お前からぶつかって来たんだぞ!」

「僕…上手く飛べなくって…ぶつかった事は謝ります。そこで、これも縁です!僕を助けて下さい‼」

「は⁉」

「僕はある男達から逃げて来たんです。お願いします!」

ムツキは困りながら考え込む。

「分かった。ただ、一緒に居るだけだからな。」

「ありがとうです!」

すると、ムツキの頭に乗って来た。

「進むでーす!」

「重いー‼」

ムツキは頭から下ろし、腕で抱える事にした。

「僕、この街に来たの初めてなんです。案内してくれませんかあ?」

「分かったよ…。」

ムツキ達は街へと向かって行く。

「そう言えば…おまえ名前は?」

「僕…名前ないんですよ…。良かったら付けてくれませんか⁉」

ムツキは悩む。

「そうだなぁ。じゃあ、シロでどうだ⁉」

「まんまじゃあないですか…。まあいいです。シロで。あなたの名前は?」

「俺はムツキ。」

「よろしくです‼」

ムツキ達は街へ向け、住宅街を歩いて行く。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ