サクラドロップ
□花火大会とドラゴン
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あれから数日後。
ムツキは万年桜の下で、寝そべって寝ている。
一方、ミコトとカイは探偵事務所にいた。2人で依頼をやる事にした。レンは2人に聞いた。
「ムツキはどうした⁉まだ、引きずってるのか?」
ミコトが言う。
「ムツキに一緒に行こうよ。って言ったんだけど…行かないって言って…まだシズクの事について、引きずってるみたい…。」
「まだ、時間がかかりそうだな。まあ、待つしかないな。」
話しを変える。
「でだ、今日の依頼は花火大会の警備だ。今日は街に人が集まるからな。もしかしたら、そこを狙って人を襲う奴も居るかもしれないからな。」
ミコトとカイは頷いた。
一方、ムツキは目を覚まし、街を眺めていた。そんな時だった。背後からムツキの後頭部に、何かがぶつかってきた。
「いっ…てぇ〜。」
ムツキが後ろを振り返ると、そこには白い中位の大きさのトカゲの様なものがいた。ひっくり返っていたが、起き上がり、頭を抱えて座っている。
「痛い〜痛い〜。」
と、喋った。ムツキは驚いた。思わずトカゲの様なものの方へと向く。すると、ムツキの方を向いた。睨んでくる。
「なんだ!おまえ…何、僕の事をジロジロ見ているんですか!」
「ジロジロって…てか、トカゲが喋ってる‼」
「僕はトカゲじゃあないです!ドラゴンです!僕の手を見てください。ちゃんと翼があるでしょ!」
よく見てみると、翼と手が繋がっている。
「確かに、ただのトカゲじゃあないな!」
「だから、トカゲじゃあないです‼」
「分かったって…でも、お前からぶつかって来たんだぞ!」
「僕…上手く飛べなくって…ぶつかった事は謝ります。そこで、これも縁です!僕を助けて下さい‼」
「は⁉」
「僕はある男達から逃げて来たんです。お願いします!」
ムツキは困りながら考え込む。
「分かった。ただ、一緒に居るだけだからな。」
「ありがとうです!」
すると、ムツキの頭に乗って来た。
「進むでーす!」
「重いー‼」
ムツキは頭から下ろし、腕で抱える事にした。
「僕、この街に来たの初めてなんです。案内してくれませんかあ?」
「分かったよ…。」
ムツキ達は街へと向かって行く。
「そう言えば…おまえ名前は?」
「僕…名前ないんですよ…。良かったら付けてくれませんか⁉」
ムツキは悩む。
「そうだなぁ。じゃあ、シロでどうだ⁉」
「まんまじゃあないですか…。まあいいです。シロで。あなたの名前は?」
「俺はムツキ。」
「よろしくです‼」
ムツキ達は街へ向け、住宅街を歩いて行く。