サクラドロップ

□怒り、憎しみ、裏切り
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ある日。
万年桜に先に来ていた、ムツキとシロは、ミコト達を待っていた。すると、そこへとやって来る。

「誰か来た!」

「誰でしょう?」

やって来たのは、ハルだった。

「ハル‼なんで此処に⁉」

「ハル?」

ムツキはシロと顔が合う。ムツキは焦る。

「いや…その…。」

「いつの間に知り合いになったのですか?」

ムツキが困っていると、ハルが話しかけて来た。

「あたしは、ただ来てみただけ。それに、知り合いでもない。」

ムツキとシロは困る。

「ただ…。夢の中では知り合い。なんで、こんな夢を見るのかしらね。」

ムツキは不思議に思う。
(なんで…ハルの夢の中に俺が…?)

ハルは帰ろうとする。

「待てよ!今度、夢の中の話しを聞かせてくれ。」

ハルは行ってしまった。


「あの子と知り合いかい?」

ムツキの背後から声がした。
ムツキが振り向くと、そこに男がいた。

「さっきまで、誰も居なかったのに…いつの間に。」

「そんな事より、おじさんと話しをしよう。」

ムツキとシロは怪しんだ。
男は話しだす。
「実はおじさん、特別な仕事をしているんだよ。とても大変な仕事なんだよ。」
ムツキとシロはなんとなく聞いていた。

「ところで…君、2人友達が居るだろう?一緒じゃあないのかな?」

「2人友達が居るけど…あんたとは、会ったことないよな?」

「君が覚えてないだけさ。2人は何処に居るんだい?」

ムツキは教えない。

「なら、昔の話しをしよう。君も思い出すだろうしね。」

男は語りだす。
「あれは5年前の事だな。仕事で、君と他に2人の友達を見かけたんだ。俺はその中の女の子を見張るっていう仕事を、やっていたんだよ。」

ムツキは疑う。

「あんた、俺の事と誰かと、勘違いしているんじゃあないの。」

「勘違いしてなんかないよ。だって…君がムツキ君だろ。もう1人はシュン君で、女の子はシズクちゃん。」

ムツキは驚きと、変な汗が出る。

「なんで…あんたが俺の名前や、シュンとシズクの名前を知ってるんだよ!」

シロは何の事なのか分からない。

男は不敵な笑みを浮かべる。

「いい質問だ。まあ、言った通りだ。シズクちゃんの見張りだよ。でも、それから4年も見張りの仕事はやってない。」

「なら、今はどうなんだよ。それより、何でシズクを見張ってたんだ。」

「今の仕事の方が大変かな。シズクちゃんを見張ったのは、ある人からの依頼さぁ。」

ムツキは聞いてみた。
「今の仕事は何をしてるんだ?その依頼人は誰なんだよ。」

「今も依頼を受けて仕事しているよ。この間も、依頼を受けて仕事したんだ。依頼人の名前は言えないよ。」

男は思いもよらない事を言う。
「この間の仕事、シズクちゃんを殺す依頼を受けたんだよ。そして、実行したんだ。」

一瞬、時が止まったかの様にムツキは感じた。

「嘘をつくなよ…おっさん。あの時、後ろには燃える屋敷しかなかった!」

「隠れながら、ライフル銃で狙っていたからね。」

ムツキは怒りがこみ上げてくる。

「おっさん。それが本当なら、俺はあんたを許さない。」

シロはただ事じゃあない事に気がつく。

「今回もある人の依頼さあ。さて、どうする?」

ムツキは男の事を睨みつける。
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