-short story-
□白衣の天使
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病院という管理された空間に長く入院しなければならないことは、自由奔放な私にとって苦痛でしかなかった。
重大な病気、という訳では全く無く、ただ学校の廊下で走り回っていて人にぶつかって転けて…胸を強打。
私、本当にバカだ…。
肋骨が何本かイカれてるということで、くっつくまで入院。
全治3週間。
ツイてないなぁ…と思ったのが、入院初日のことだった。
…と、何だかんだ言っときながら、今では不謹慎にも「もっと入院したい」と思っている自分がいる。
その理由は、一人の看護師さんだ。
私は、その看護師さんに恋をしてしまった。
それも、
私は女で、看護師さんも女なのに…だ。
「白衣の天使」と呼ぶにふさわしい彼女は、透き通るような白い肌で、柔らかな微笑みで、ほんの少しのドジで、私を癒してくれた。
「珠理奈ちゃん、身体拭かなくて大丈夫かな??」
「あ…お願いします」
「はーい!!」
彼女…玲奈さんは
ふわっと笑って私の身体をそっと抱き起こしてくれる。
最初に出会った時、「同じ名字だねー!!」なんて無邪気にはしゃぐ彼女を見た時から、私は解けない魔法にかけられているのかもしれない。
と、玲奈さんのウェットタオルが私の太ももあたりにさしかかった。
「あンっ…玲奈さん…!!」
「あっ//…あっ//…ご、ごごごごめんっ!!!!!」
…くはっ、何だこの反応…面白いっ…
もっとからかってみようかなっ…
「…あっ…ちょっ…れなさ……そんな…トコ…はっ……あッ!!!」
「…じゅ…珠理奈ちゃんっ////…そんな…そんな声出さないでっ!!…////」
「だって…玲奈さんが、変なトコ…ばっかり…触るからっ…////」
「さ、触ってないよぉ〜!!…//変なこと言わないでよぉ//」
顔を真っ赤にして、手をぶんぶん振る玲奈さん。
やばい、可愛い。
かわい過ぎる。
ずっと、こんな時間が続けばいいのになぁ…なんて考えてた次の瞬間だった。
「…キャッ!!」
「…痛ったァァァァァaaaaあぁぁっ!!!!!!」
恥ずかしがり過ぎて
何故かバランスを崩した玲奈さんが、私の胸に(つまりはギブスの上…泣)にこけた。
つーか、飛び込んできた。
え、…顔めっちゃ近いんですけど。
痛さとか、一瞬で吹っ飛びましたけど。
つーか、ほんと、
かわい過ぎるんですけど。
「…あぁぁぁ!!!!…ご、ごごごめんっっっ!!!!」
「…ううん」
「…!?…珠理奈ちゃ……!!」
「「…………」」
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