◆文

□はじめての1
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「中也の異能ってかっこいいよね」
「あ?なんだよ藪から棒に…」

お昼ご飯のオムライスを二人で向かい合ってもそもそしつつ、なんとなしに褒めると中也は怪訝な顔をしてこちらに視線を向ける。

…とかなんとか言いつつまんざらでもないのね中也さん。微妙に口元緩んでるよ。

「んー、いや、なんとなく?確かに怖い異能だとは思うけど、でもその圧倒的な力って魅力的だなあって思って。」
「ふぅん。」

あ、嬉しそう。

「なぁに中也、褒められて嬉しいの?かぁわい」
「なっ!別に嬉しくねぇし可愛くもねぇ!その顔むかつくからやめろ!!」

にやりとして揶揄ってみると、案の定怒られてしまった。

「…そういえば、ゆあの異能ってなんなんだ?」
「あー話そらしたね?」
「単純に気になっただけだ。あと、それ以上戯言吐くようならその口塞ぐぞ」
「嘘ですごめんなさいなんでもないです」
「わかればよろしい。…で?お前の異能ってなんなんだ?」

一瞬でしおらしくなったゆあの頬を仕返しとばかりに指でつついてやる。

「いやーそれが、そもそもあるかどうかわかんないんだよね。」
「あ?なんだそれ」
「なんだって言われましても…」
「ふーん、まぁ全員が全員異能持ってるってわけでもねぇもんな」
「うん。でももし異能が使えるなら…」
「使えるなら?」
「無限にスイーツが出せる異能がいいよね!!」
「なんだそりゃ」

そんなのお嬢にしか使えねぇし、戦えねぇじゃねぇか、と、つまらなさそうに呟く彼に本当は治癒能力がほしいなんてことは黙っておく。

そんなやりとりをしながら丁度お皿の上のオムライスがなくなった頃、タイミングを見計らったかのように首領から招集がかかった。
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