【イケメン戦国】時をかける恋

□【徳川家康】うつつ夜
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御殿で共に暮らすようになった 涼莉 と、夕餉を終えると、 涼莉 はいつものように、俺に今日の出来事を尋ねてきた。

軍議の話を聞いて何が楽しいのかは、俺には理解できないけど、 涼莉 はいつも、それに黙って耳を傾けている。


今までの自分には、想像もつかなかった日常でも、今の俺は、そんな日常に、幸せを感じているのが事実だ。


「そんなことより針子の仕事はどうなの?信長様の羽織を仕立ててるって聞いたけど。」


涼莉 は俺と御殿に住むようになってから、安土城で、通いで針子の仕事をしている。


「あ、それは今日仕上がって…信長様に気に入ったと言ってもらえたの!」


針子の仕事を話す 涼莉 を見ていると、心に霧がかかってくる。

言葉にすると、嫉妬ーーー。


俺は信長様に妬いているのか、それとも針子という仕事に妬いているのか……。

俺はこんなにも、独占欲が強かったか?
いや、それは 涼莉 と出会ったせいだ。 涼莉 が可愛いすぎるからーーー。


「次は家康に何か仕立ててあげたいな。」

何がいいかと、嬉しそうに思案する 涼莉 を見て、俺は想いに導かれるまま、 涼莉 の頭を引き寄せ、口づける。

腕を首に回し、俺の想いに応えようとする 涼莉 に、抑えきれないほどの愛情を感じずにはいられない。


深くなる口づけに 涼莉 の呼吸が乱れ、俺はそれを唇で、舌で、受け止める。

唇と唇の間から漏れる、 涼莉 の甘い声に溺れるように、首へ鎖骨へと唇を刻むようにゆっくり這わせながら、畳へ転がり込む。

「んあっ…だめ、家康…///」

「聞かない。」

「…んっ、まだ、夜じゃ…ないっ…!」

息を切らせながら恥ずかしそうに頬を染め、拗ねる 涼莉 も、俺にとっては狂おしく可愛くて、そして愛しい。

そんなことを感じる自分に、心の中で苦笑しつつ、つい笑みが零れる。

「外もう暗いよ。寝る時刻じゃないけど。」


黒く染まった障子を背に、 涼莉 を抱え上げ、褥へと誘った。

▶▶▶

薄明かりの中、 涼莉 の温かい頬をなぞりながら、優しく口づけを落とす。

「だめって言っても聞かないから。」

「うん……///」

耳元で囁くと同時に、性急に深く口づける。

「…っあ、んっ………」

静かな部屋に、互いの鼓動と荒い息づかい、そして 涼莉 の甘い声だけが響く。

俺は衝動にかられるがまま、 涼莉 の懐の奥の、実ったふくらみを捕らえ、刺激する。
優しく、激しくーーー。

「…っんぁ……んっ…」
ふくらみの敏感になったそこを抓ると、 涼莉 は身を逸らしながらより一層高い声を上げ、それが俺を刺激する。


「 涼莉 、愛してる。」
甘い声に誘われるままに、首筋からなぞるように、唇をふくらみへと移動させ、吸い上げ、転がす。

自分の膝で 涼莉 の膝を割り、甘い密が溢れる花園を探し当てると、俺の中で一気に何かが崩れ去る。

理性ーーー。

もっと、あんたがもっと欲しい。
そして精一杯、あんたを愛したい。


「……っあ、いえ、や、す……っん…」

刺激を与えられた 涼莉 が、甘く乱れながら、俺の名を呼ぶ。

「 涼莉 …愛してる。愛してる……」

そう囁くと、俺は無我夢中に、 涼莉 の中で、熱に浮かされ愛を注ぎ続けたーーー。

▶▶▶

襦袢1枚かけた 涼莉 が、俺の隣で、まだ乱れた呼吸を繰り返している。

放ったはずの俺の熱も、 涼莉 からもらった熱も、まだ冷め切らない。

涼莉 の髪にそっと手を掻き入れて、おでこに口づけては、 涼莉 の顔を眺める。


こんな時間が、永遠に続けばいいのに。
この乱世の中では、明日をも知れないけど、そう願わずにはいられない。


「家康?」

「何?」

「……大好き。」

そう言って、 涼莉 は俺の胸へ顔をうずめる。


「大好き」か…。
俺はその何倍も、何十倍も愛してる。
何があっても、手放したくないくらい、あんたが、 涼莉 が、愛おしくて堪らない。
それは、生涯変わらない。


「寒くない?風邪ひくよ。」

手近にあった俺の羽織を 涼莉 に掛ける。


「……んー、風邪ひいたら家康が薬作ってくれる?」

「だめ。」

「家康のいじわる!」

むくれた顔で俺を見上げる 涼莉 が、可愛いらしくて、笑みがこぼれる。


「嘘。でも風邪はひかせない。」

「もうっ!天邪鬼だなぁ。」

ほころんだ笑顔の 涼莉 が可愛くて、眩しくて、愛しくて、 涼莉 の隙をつき、軽く唇を重ねる。

今まで、こんなにも眩しくて、愛おしい物事なんかなかった。 涼莉 と出会うまでは。


「あんたは隙がありすぎ。」

そう微笑んだ俺の唇に、 涼莉 が唇をかすめーーー。

「ふふっ!」


涼莉 、あんたのその笑顔は反則だ。
俺が生涯をかけて、守り抜きたい笑顔。
命をかけても、守り通したい笑顔。

それを見たら、俺は隙だらけだよ。


だって俺は、あんたに夢中なんだからーーー。


▶ 完 ◀
 

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