行方不明の姫
□なんて出会いだ!
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――去年の春に遡る。
桜が満開である時期に起こった事件の日。
俺の目的は、ある族≠打ち負かし天下無双の鳳凰を創ること。
そのある族≠ヘ一騎当千と噂される程の戦力を持つため、鳳凰とは対立関係にある。
名は桜王架=iさくらおうか)。
桜王架のトップの素性は未知の領域であり、踏み込むことさえままならない。
それでも俺は桜王架の数少ない情報を頼りに、目撃情報があると言う小組織の元へ向かった。
小組織の住処は田舎の廃校。
そこで俺は出会った。
謎に包まれた、桜王架≠フ姫に。
そして、今まで馬鹿馬鹿しいとまで言われてきたこの努力を、彼女は認めてくれた。
『――真実は容易に見つかるものではない。それを見つけ出して初めて、己は昇進する』
彼女の言葉は、俺の意欲を高めるには充分だった。
前に、もっと前に進みたい。
鳳凰としても、自分としても。
そして、いつしか頂点に――。