行方不明の姫
□勉強会!?
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翌日、現地集合のため俺達は、優の家の前に集まっていた。
まだ来てないのは海斗、天香、青翔である。
「遅いわねアイツら〜。寝てんじゃないかしら?」
待つことを好まない由梨が腕を組みながら愚痴を零す。
珍しく髪を下ろしている葵も不機嫌な顔になる。
ちなみに休みの日は、髪を結わく役の海斗がいないので髪を下ろしているらしい。
「あり得るな……」
それにしてもまだ来ない遅刻常習犯メンバー。
なにせあの三人のことだ。
午後までぐっすり睡眠していてもおかしくはない。
「先に入ろうぜ」
気が短い悠真は、みんなを優の家に入れようと施す。
そのとき、遠方からガラガラと地面に響く音や、高速走行してくるような激しい足音が聞こえてきた。
その音は次第に大きくなっていき、その場にいた鳳凰全員がその音源の方に顔を向ける。
「な、なにやってんだ!!」
悠真が眼鏡越しに目を見開く。
視線の先にはあの例の三人がいた。
「青翔サンが加速しまシタ!!」
「任せろカイト」
海斗と天香が凄まじい速度で、こっちに向かって走ってくる。
その二人の前には華麗にスケートボードを乗る青翔。
「そんな無駄な体力使うよりこっちの方が速いもんねェ〜」
スイスイとスケートボードで走っていると、何か小型の矢のような物が青翔の足元付近を通り過ぎ、それはつま先辺りのスケートボードに刺さった。
「ん? なんだコレェ!?」