勇者がヘタレで臆病な場合。

□二話目
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「さて行きますよ勇者さん」
魔法使いは歩みを進め始めていた。
僕はその服の裾を掴む。
それはもう必死に。
「待って待って待って!!何で目の前に街があるのに行かないの!?」
「穢らわしいです。触らないで下さい。」
「えっ。ごめんなさい…じゃなくて!!」
危うく何時ものパターンに持っていかれるところだった。
状況を説明すると。僕らは魔王の城を目指していて。
その途中にある街で補給したいな…と思っていたところ、目の前に街を発見したので、入ろうとした所。
魔法使いさんが頑なに入らない。
「何でこの街に入りたがらないの…?何か理由があるの…?」
僕が聞くと、魔法使いさんは真面目な表情になった。
魔法使いさんは一応将軍だから、民に恨まれているのかもしれない
「…………が……い」
魔法使いさんはボソボソと呟いた
「どうしたの?聞こえないよ…?」
耳を澄ましてもう一度聞く。
しかしその必要は無かった。
「単純に人が多い。」
「ちょっと期待した僕がバカだったよ。」
この台詞により、なんだかどうでも良くなった僕は魔法使いさんと次の町に向かった

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