勇者がヘタレで臆病な場合。

□四話目
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「勇者さんとっとと起きてください。」
バッサァッ
ごろごろごろごろ…
ゴンッ
「ウヴァ!?い、痛い!?」
「ハッ!ザマァ。」
まぁ、布団をひっぺがされて起きた勇者アミル。
もう朝か…と、思いつつ起き上がりカーテンを開ける。
「ん…?」
カーテンを閉じる
少しの沈黙
カーテンを開ける
「……………。」
アミルはジェミニの方を振り向いた。
「ねぇ!!まだ外暗いんだけど!?」
外は今だ暗く、朝日の気配も遠かった。
「当たり前ですよ。朝四時なんですから。」
ジェミニがまるで当たり前の様に言う。
アミルは軽く唖然としかける自分の顔をふるふると振る
「何でそんな朝早く起こすのさー!?」
「勇者さんがアホみたいに驚くのと、集落に昼までには着きたかったからです。」
「待って。メイン目的がただの付属品。」
ジェミニはそれにたいしてドヤ顔を返してきた。
アミルは胃と頭が痛くなりながら溜め息をついてそれを流した
「もうこれ…最初の目的から徐々に脱線していってるよね…」
「君と脱線するRPG。」
「五月蝿いよ!?」
某RPGのサブタイトルをパクるんじゃない。
そしてアミルは出発しようと準備を始めるため荷物に手を掛けた。
「あ、勇者さん。荷物の整理整頓なら僕が済ませておきました。」
「僕は時々君がわからなくなる。」
ちょっと不安でカバンを開けてみるが、ふざけておらず、ちゃんと準備されていた。
「………………。」
「どうかしました?」
「……いや、別に…」
ちょっと何時もこんな風にしてもらえたら良いのに…と思った勇者アミルだった。

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