勇者がヘタレで臆病な場合。

□六話目
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西の森。集落への小路

「それにしても…この森…結構広いね。」
息を荒くしたアミルが言う
「この森は北に向かって長方形に近い形に延びてるんだ」
シエルがアミルの言葉に答えつつでこぼことした道を軽々進んでいく。
そんな時
「キシュルァァァァ!!」
植物が色々集まって出来た魔物が現れた。
シエルの目の前だ。
「し、シエル!!下がって!!」
思わずアミルは叫びながら前に出ようとした。
「あ、お前行きも会ったよな。奇遇だな」
シエルは魔物に向かって会話を始めた。
「ねぇ、ねぇ、ジェミニさん。ジェミニさん。シエルどうしちゃったの?驚きすぎて気が狂ったの?」
「………残念ですが恐らく…」
「そんなっ…!?」
「と言うのは冗談です。」
ジェミニは可笑しそうにくつくつ笑った。
アミルは盛大にずっこける
「真に受けちゃったじゃないか!?実際は何なの!?」
「あれは人の中に極稀に居ると言われる。魔物と心を通わせる能力をもった人間…ですね。スク●ア●ニックス社の開発したドラ●ンクエストの主人公に魔物と心を通わせる能力をもった主人公居ましたよね?あれみたいな感じです」
「著作権って何だっけ」
思わず著作権に違反しまくった説明文に突っ込むアミルである
シエルは会話が終わったのか魔物を手を振って見送る
「…魔物は何て言ってたの?」
アミルはそっと訊ねてみる
「彼奴さ、魔物の中では課長みたいに中間職でさ。胃が痛いらしいよ。」
「魔物も縦社会から逃れられなかったんだ。」
思わず普通に突っ込む
暫くすると視界が拓けてくる。
「ここが集落だよ。」
広くなっている其処は小さな木造の家があり、農業を細々とやって生きている小さな村だった
「じゃあ叔母さんの所行くか。
と言ってシエルは前に進み出す。
「叔母さん……?」
アミルはシエルの言葉に質問をする
「この集落の村長。来るときって挨拶しなきゃなんだろ?」
シエルは微笑みながら答える。
そしてアミルとジェミニはシエルに導かれて、小さな名も無き村に入った。

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