勇者がヘタレで臆病な場合。

□七話目
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森の集落

森の集落にシエルの案内でたどり着いた勇者アミル一行。
「の、のどかな村だね?」
アミルは急に無言に成ってしまったジェミニにそう言った。
ジェミニは回りに警戒した様な目付きをしている
「ジェ、ジェミ…」
「勇者さん御気づきですか?」
ジェミニはアミルの言葉を遮りながら言った。
アミルは何の事かわからずに首を傾げる。
「…………この村…視線が敵意を持ってる。」
アミルはその言葉で辺りの人の視線に注意を払ってみた。
のどかに見える村。
畑を耕していた人が此方を見ている。

睨むような視線で

「……………!」
アミルは其に気付いてびくりと肩を震わせた。
辺りに視線を向けると、辺り一帯が
敵意敵意敵意敵意。
全ての視線が敵意を孕んでいた。
アミルはシエルの方を向いた。
シエルの目も敵意を持ってるのではないかと恐ろしくなった。
怖くなった。
振り向いて真意を確かめたかった。
しかし振り向いてほしくなかった。
すると何かを感じたのかシエルが振り向いた。
キョトンとした表情で、すぐにジェミニとアミルの心境を悟ったのか困ったように笑った。
すると、シエルが一人の村人に声を掛けられた。
低い、怒気を孕んだような声だ
「悪い…叔母さんの家は彼処だからさ、先に行ってて。」
とシエルは苦笑いをした、指差す先には村の中では比較的大きな家があった。
「う、うん」
アミルは返事をするとその家に向かってあるき出した。

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