勇者がヘタレで臆病な場合。

□十四話目
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「…まだ痺れる…」
シエルは少し顔をしかめながら歩いていた。
アミルは苦笑いしつつ。
「シエルってちょっと抜けてるよね。」
と言っておいた。
結局長い長い正座の時間の間に探したが、手掛かりは見つからなかった。
探したといってもアミル一人で探した所はたかが知れているが。
おそらく村全体でも調べたのだろう。至る所に人の足跡があった。
帰り道が分からなくなると森が教えてくれる、とシエルに言われて最初は戸惑ったが、実際に道が分からなくなると、自然に目に付いた道を歩いていくと勝手に外に出た。
ちなみに図体が小さめにはできるけれどもそれでも大きいフェンリルは現在精霊界に戻っているらしい。
シエルが呼べば呼び掛けに応じるらしい。
ジェミニ談。
滝の裏の洞窟を通って再び川に戻る。
「じゃ、出発しようか。」
とアミルが笑った。
ジェミニは静かに目を閉じて口角を少しだけ上げ、シエルはそれに満面の笑みを返した。
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