勇者がヘタレで臆病な場合。

□二十五話目
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「う、うわああっ!? 待って、ちょっと待って、待ってってば!!」

アミルは何かよく分からないものに追いかけられていた。
犬に見えなくもないが、犬にしては体が大きいし、凶暴そうで牙を向いてこちらに襲いかかってくる。
先程あの神父が呼び出したようだが、恐らく召喚獣とかそういう類ではなく飼ってたモンスターなのだろう、そのなにか良く分からない犬っぽいものに追われて、アミルはジェミニとはぐれてしまっていた。

取り敢えずこの犬っぽい何かを撒かない限り、ジェミニと合流する事も、ノエルとシエルを探す事も出来ない。

アミルは角を曲がって、自分の失敗に気付く。
ああ、地図とか読み込んでればよかった。

「かいだっんっうわぁああああっ!?」

アミルはそのまま階段を転げ落ちていった。
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