忍恋
□8.薬と毒 の段
1ページ/11ページ
次の日、医務室に行こうとすると何故かみんなぞろぞろついてくる。
「伊作の女なんだろ?」
「ち、違うって!」
「なんで同室の俺にまで隠してたんだ。」
「だから、誤解だって。」
「細かいことは気にするな!」
「気にするよっ!絶対、彼女の前で変なこと言わないでよっ!」
「じゃあ、想い人ってことか?」
「昨日、会ったばかりの人だよっ!」
全然、人の話を聞いてない…。昨日、さんざん説明したのにっ!そうこうしているうちに、医務室の前につく。中からは数人の話し声がする。少し緊張しながら戸を開けた。
「失礼します。」
「あっ!伊作先輩っ!」
「彼女を見に来たのに、どこに隠したんですかっ!」
「えっ?」
ぶーぶー言う後輩に慌てて確認すると、昨日彼女が寝ていた場所にはもう布団もない。ほっと胸を撫で下ろした。しかし、よく集まったな…今日は委員会だから保健委員は分かるとして、久々知平助、鉢屋三郎(恐らく)、田村三木ヱ門…。
.