忍恋

□18.鍛練組の恋もよう の段
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夜中に鍛練を行いながら、今日の昼あったことを思い出していた。


キィーーーン

「長次はあの…伊作の女には興味ないのか?」

「…もす。」

「そうか。お前は一途だもんな。」

「文次郎っ!隙ありっ!」

ガキィーーーン

「っと!卑怯だぞ、小平太っ!」

「ニヒヒ。余裕かましてるからだっ!」

「お前はどーなんだよっ、と!あんな危険な女を本気で狙ってるのか?」

キィーーーン

「っとと、長次、やるなっ!…文次郎、鍛練中に細かいことは気にするなっ!」


やはり、この二人を相手に考え事をしながらでは不利か。
一旦、間合いをとる。

まさか、あの女が仙蔵と留三郎と関係を持っていたとは。昼の様子では、間違いないだろう。小平太だって気づいたはずだ。…知らないのは、というか気づかなかったのは伊作とその場にいなかった長次だけか。

それにしても、留三郎が伊作を出し抜くような真似をするなんて…美しいが危険な女だ。中途半端に手を出すと火傷じゃすまないかもしれない。

最近、迷惑なことに仙蔵があの女を夜中に招き入れるので閉め出しをくらっていた。



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