一万ヒット感謝企画SS。

□独り占め。
1ページ/1ページ




寝返りを打って何か柔らかいものに触れる。


「んっ…。」


きっと夜が明けたくらいで何時もより早いはずで。まだまぶたが重くて開きそうもない。それにしても、今日はやけに体が怠いな…。

そこまで考えてまだ夢現だった僕の脳が一気に覚醒する。

そ、そうだっ!き、昨日っ!

でも、もしかしたら夢だったのかも知れない…目覚めて居なかったら僕は立ち直れない。数分の葛藤の後、恐る恐る目を開けると、そこには彼女が昨夜のままの姿で寝ていて。

これでもかってくらい、顔が熱くなる。鮮明に思い出せる昨夜の艶姿に、隣で眠る彼女の寝顔に、まだ夢でも見てるんじゃないかと疑ってしまう。

布団から出た白い滑らかな肌を肩から鎖骨、首筋の順に目で追うと、僕の所有印が赤く小さい花を咲かす。夢じゃ…ないんだ…。

も一回、触れたいな。

寝顔をじーっとそれこそ、穴が開いちゃうんじゃないかと思うくらい見つめて。


「名無しさんさん。好きだよ。」


言葉にして実感する。もう、我慢することも、気持ちを押さえることも、必要のない僕は世界一の幸福者。


起きるまで、独り占め。

起きてからも、独り占め。




.
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ