一万ヒット感謝企画SS。
□誰のせい?
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寒い。
目を覚ますと、布団を全部巻き取って彼女が寝ている。まだハッキリと意識が戻らない中ぼんやりと思い出す。
ああ、そうか。昨夜…。
道理で体が重いはずだな、と思った。みのむしみたいに布団にくるまった彼女を見て、寒かったんだろうかと心配になる。
寒かったなら、こうすればいいのに。
「ん…半、助?」
「こっちのが、あったかいだろ。」
布団をもとに戻すと私は彼女をぎゅっと後ろから抱き締める。幸せの余韻に心がほんわか暖かくなる。もうすぐ起きなくてはいけないことは分かっていたけれど、直に伝わる体温が心地よくてまたすぐに眠気が襲ってきた。
次に起きたら彼女はきっとまだ腕の中にいて。目があってちょっと恥ずかしそうに、はにかむんだ。
これからはいつだって。そんな風に朝を迎えられる。
何でもないような日々が、
君の溢れんばかりの笑顔で特別な日になる。
そんな、朝が続くんだ。
これからずっと。いくつ年を取っても。
数時間後。
起きると、もう彼女はいなかった。
どうしたのだろうかと不安になっていると、部屋の戸が開き、不機嫌な彼女が不機嫌な顔で入ってきて、不機嫌にくしゃみをする。
「半助。今夜からは別々で寝ましょう。」
「えっ!?」
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