一万ヒット感謝企画SS。
□続く頁に。
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眩しくて目を開けると格子の外側にある葉が揺れる度に日の光がチラつく。確かに腕の上に抱き寄せていたはずの彼女はいつの間にか頭をその下へ下ろしうずくまるようにして寝ていた。
寝心地が悪かったのだろうか?いや、違うな。
その意図を理解して愛しさが増す。
「……綺麗だな。」
すぅすぅと気持ちの良さそうな寝息を立てる彼女は朝の光を浴びて清らかささえ感じる。その無垢な姿にこのまま絵になりそうだな、と思った。彼女の方へと体を向け、その繊細な髪を掬い上げる。
「ん…ちょ、じくん。」
「……どうした?」
彼女は瞳を閉じたまま、安心したように「よかった。」と言った。ああ、そうか。
「……目覚めるまで、何処にも行かない。」
「うん。」
にこりと幸せそうにその口許が弧をかく。そして、彼女はまた、まどろみの中へ意識を沈めたようだった。
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