雑渡さんと一緒っ!
□八章 しょせんそんなもん の段
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「ドクササコと繋がっているはドクタケで間違いないです。ドクササコが陽動部隊といったところでしょう。」
「なるほどね。」
小頭の山本陣内から報告を受けてドクササコとドクタケの策略はほとんど見当がついた。今ごろ、陣左がドクタケで動いているはずだし裏が取れれば。だけど、なんで名無しさんを拐う必要があったのか…。
また尊奈門が何か報告し忘れてんじゃ…嫌な予感がして小頭に彼を呼んでくるようにつげる。
「こらっ!尊奈門っ!」
「姉さんのこと何かわかったんですかっ!?」
「…。だから、部屋に入るときは声をかけなって。」
勢いよく開かれる戸に呆れていると尊奈門は構わず、ずかずかと部屋へ入ってくる。それの後に続いて入ってきた小頭に拳骨を食らい涙目になる彼は、名無しさんが絡まなければ忠実で割りとマニュアル小僧なのに。
今朝、陣左を選んだことが余程不満なのか反抗心剥き出しの目で睨んでくる。
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