福の神は誰の手に の段

□福の神は誰の手に の段 一
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空は機嫌が良いらしく、上を見上げれば雲一つない。乾燥した冷たい空気は、吸い込まれそうなほど、どこまでも青く澄んでた。


「うぅーん。うぅーん。…思い付いた!ヘムヘム、皆を集めるのじゃ!!!」

「ヘムヘム!」


今日は節分。
学園長の思い付きで、朝から集会となった。


「半助、どう思う?」

「はあ。きっと、今日は節分絡みでしょうね。」


山田先生の「だろうなあ。」という疲れたような、諦めたような重いため息と私のため息が綺麗に重なる。朝早くから迷惑なことだ。

突然の召集にもなれたように、生徒達も全員集まる。皆、口々にこれから起こることの予想や、不平不満、他愛のない雑談に花をさかせている。


ちゅどーーん。


「げほっげぼっ!」


モクモクといつもより多目の煙に、相変わらずむせながら学園長が登場する。いい加減、煙の量くらい調整すればいいのに。


「ごほんっ!今日の授業は中止じゃーーー!!!」

「「「「「うわーーーーい!」」」」」


最初の一言に私は目眩を覚える。授業を中止?只でさえ遅れているというのに、こ、これ以上どうしろと…。隣の山田先生も頭を抱えている。



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