伝えたいから伝わらない の段

□伝えたいから伝わらない の段 四
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私は囚われていた。と、いうか自ら囚われるのを選んだ。
あの夜、まさか、食満くんが付いてきてたなんて。

抜け忍として追われていた私は、戻るか制裁を受けるかの選択に迫られていた。すぐに居場所は突き止められるだろうと思ったし、この二卓も想定内。

抜け忍の制裁は死。

けれど、それほど怖くはなかった。
また忍として暗殺に携わるくらいなら甘んじて制裁を受け入れようと城を出たときから決めていた。


「帰って来ないなら、死んでもらうしかないな。」

「あと、二日待ってもらえない?」

「交渉を持ちかけられる立場にあると思っているのか?」

「だから、これはお願いよ。聞いてもらえれば、一つくらい仕事をこなして死ぬわ。私が約束を違えないのは知っているでしょう?」


そのとき、後ろで人が取り押さえられた。私はその人物を確認して青ざめる。


「食満くんっ!?」

「くそっ、離せっ!」

「イヤだ。」


食満くんを取り押さえた人物を確認して、更に私は顔を青くした。







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