ゆめへ…short

□二度目の初恋 の段
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晴天とはいえ吐いた息が白くなるほどの寒空の下、私の視線の先には一年は組の良い子達と元気に遊んでいる彼女の姿。


「あれは本気で遊んでいるよなあ…。」


最近よく学園に来る彼女は学園長の贔屓にしているだんご屋の看板娘らしい。前はおじさんが配達に来ていたのに、ひと月くらい前に一度付いてきてから突然、彼女が代わりに来るようになった。それも、なぜか毎日のように。

綺麗というよりも、無邪気な笑顔が可愛らしいと言う方が似合う気がする。年は生徒の方が近そうだ。六年生なんかは分かりやすく彼女に興味を示している。

全く、あいつらは。

彼女は来る度に喜八郎の落とし穴に落ちそうになったり、小平太に追いかけ回されたりしている。兎に角、危なっかしくて目が離せなくて。

毎回たまたま居合わせる私が助けていたものだから、あっと言う間には組の生徒達と仲良くなり、配達が終わった後はだいたいいつもこうして遊んでいるようだった。


「は…っと!土井せんせーい!」


此方に気がついた彼女が大きく手を振りながら走ってくる。その嬉しそうな顔に、こちらも自然と笑顔になってしまう。


「そんなに走ると転びますよ……って!」


忠告も空しくすでに大きく中に待っていた。いつも思うのだが、どうしたらあんな風に盛大に転けられるんだろう?


「わあっ!」


だいたい、予想出来ていた私は地面につく前に、彼女を横抱きに受け止める。そのまま私に礼を言うと、なんとも緊張感のない表情で「えへへ。」と笑った。

思ったより、その顔が近いことに一瞬ドキッとしてしまう。



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