ゆめへ…short
□未完成な恋 の段
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「名無しさん、お前なぁ…。先週の授業で煮魚爆発させて山本シナ先生に料理禁止されたんだろ?」
「な!なんで知ってるの!?」
「むしろ、知らない奴はいないと思うぞ。」
顔を真っ青にして、ショックを隠しきれない様子の彼女は今年、忍術学園に入学してきた。見た目は大人びて見えるが十五歳らしい。タカ丸と同じように未経験なためくノ一の四年生に編入した。
忍術学園に来る途中で迷子になっているところをたまたま通りかかって案内したことから、なつかれてしまっていた。
まあ、入学してすぐに忍たまの間で人気者になった彼女に好かれるのは悪い気はしないけれど。
「…許可は取ったんだもん。」
そう小さく呟く姿にため息が漏れる。ん?ちょっと待てよ。もしかして…。
「…名無しさん、お前まさか、これの為に今日空けといてくれって言った訳じゃないだろうな?」
「ち、違うよっ!違わないけど!」
だから、どっちなんだよ。慌ててそう言った彼女に言葉にはせず心の中で思わず突っ込みをいれる。
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