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□悪夢と癒し
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ここはどこなんだろう……
辺りは薄暗く、なにも見えない。
少し歩くと人影が見える。
あれは……仁さん?
奈菜ちゃん、俺たち別れよう。
さよなら。
え…………?
何を言われたのか理解できなかった。……理解したくなかった。
その間にも、仁さんは私に背中を向け歩き去っていく。
ま、まって!
いくら走っても手を伸ばしても届かない。
まって!私を一人にしないで!置いていかないで……!
「ちゃん……奈菜ちゃん!」
「っ!?」
「大丈夫?すごくうなされてたみたいだけど……。」
声のする方を見ると心配そうな顔をした仁さんがいた。
仁さんは、目に溜まった涙を指で払ってくれた。
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