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□怖い時は……
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「奈菜、ホラー苦手なのに、よく一人で見てたね。」
「う……友達が出てて、『絶対見てね』って言われたから見なきゃなと思って。」
「そうだったんだ。俺が帰ってくるまで待っててくれればよかったのに。」
「本当はそうしたかったんだけど、稽古で疲れてるだろうし、蒼星……明日も早いんでしょ?」

持っていたクッションをぎゅっと抱きしめる。


「全く、そんなこと気にしなくて良いのに(ボソッ」
「え?」
「何でもないよ。」

彼女の隣に座り、抱きしめる。
背中を撫でていると、最初は強ばっていた彼女の体が、だんだんと力が抜けてきた。

「蒼星にこうされるのすごく安心する。」
「それなら良かった。……奈菜。」
「なに?」







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