■二人の幸せはみんなの幸せ■

□7月の物語〜Happy Birthday devil Majesty
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Happy Birthday devil Majesty


「では、改めまして 本日の予定の確認です。」
グウェンダルにもらった新しい学ランを着替え終わって、歩き出す俺のナナメ後ろから王佐が話す。
「まずは馬にて、眞王廟に行き眞王陛下のお言葉を賜ります。先代まではウルリーケから伝えてもらったのですが、あなた様の場合直接眞王陛下のお言葉を頂けるので、さすがユーリ陛下というわけですね。」
あんまり頻繁に姿が見えるのもどうなの?という疑問はあるけどここは
「了解」と素直に言っとこう。
「それから、少し遅いですが来賓の方々と朝食を。歓談しながら食べるうちに昼を過ぎるでしょう。」
「王室楽団のBGM付きですよ陛下。」
コンラッドは白い正装だ。でも
「陛下って言うな名付け親。」
「そうですが、公の場ではユーリと呼び捨てることはできません。」
「じゃあ、僕もユーリ陛下とお呼びしなくては。いつものくせが出ないように…
ねえ、ユーリ陛下。」
ヴォルフラムまで
「気持ち悪いんだってば。」
「ユーリ陛下、一体即位されてから何年も経ってるんだ。いい加減慣れなさい。」
いや、俺的にはまだ2年しか経っていない。
グウェンダルまで、陛下呼ばわりしないで。
「ユーリ陛下。とりあえず今日だけだから。」

そうしてしばらく廊下を歩いてロビーに出ると、俺の可愛いレディが!
なんと今日はグレタも一緒に眞王廟に行って良いと言われていた。
「ユーリ あ、ユーリ陛下。」
「グレタ。グレタまで陛下はやめてくれ。」
「でも、いつまでも小さい子供じゃないもん。ちゃんと言葉を選んで使わないと。ユーリ陛下の娘として、ちゃんとしなくちゃいけないの。」
グレタ、立派になって。さすが俺の姫。お父さんは君の成長が眩しいよ。
「グレタ、そのドレス似合っているね。」
空色のシンプルなドレス。半袖のところと、膝下ぐらいの長さのスカートの裾に白いレースがあしらわれている。
靴も空色のエナメルだ。
「ありがとう、色はユーリ陛下が選んでくれたんでしょう?」
「うん。俺の好きな空色。」
「で、ドレスのデザインはヴォルフラム 閣下が作ってくれたの。」
「ぐ、グレタ。君は僕を閣下って呼ばないで。」
ヴォルフラムがさっき俺が言ったようなセリフを吐く
グレタがどんぐり眼で首をかしげる
「なぜ?」
「なんか 距離を感じるから。」
「!それだヴォルフラム、俺も陛下呼ばわりされるのはみんなが数歩離れているみたいで。だから…。」
って言うと
「ユーリ陛下はダメ。」
ヴォルフラムが綺麗な笑顔を作ってすごく近寄ってきて耳元で
「夜にいっぱい呼び捨てしてやるから、今は我慢して。」
なんかわからないけど 顔が赤くなったのを自覚する。
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