■二人の幸せはみんなの幸せ■

□小さな魔王陛下〜 Small devil Majesty extra chapter
1ページ/3ページ

今日は、朝から サンルームに持ち込んだ王座に座って短い足を組んで 片肘をついて頬杖のポーズで固まっている。
頭の上にはいつもの王冠じゃなくて ツェリ様からもらったティアラをのせられている。おしゃれ用の冠とはいえ上王陛下のものだからそれぞれの石は小さいけれどかなり豪華で、キャッチャーのヘルメットぐらいは重い。

「なあ、ヴォルフラム これ、今やらなければダメ?」
「当たり前だ。ユーリの今のその姿はそう長くは見られないんだろう?」
「まあ、そうなんだけどね。」

三年生の男子高校生だった俺さま、渋谷有利が 十歳ぐらいに若く?なって、女の子になったのは三日前。
この姿は短期間だとはわかっていたけれど、具体的にいつまでとはわかっていない。

それを知った俺の側近たちがこの姿を記録にしておこうと、ヴォルフラムに肖像画にするように提案した。

もちろんというようにヴォルフラムは賛同して、昨日のうちに衣装や小物を決めた。
それで今日はすでに二時間このポーズで固まっている。

今回の衣装は 紺の長いワンピースにオーガンジーっていうらしい透ける素材で作られている白いボレロっていう短い上着が組み合わされている。
準備に一日しか取れなかったので、魔族の女の子が成人の儀をするときのための服として売ってたもので、いわば既製服。オーダーメイドは俺が拒否った。みんなには文句言われたんだけど黒がなかったから。でも、いつ成長するかわからないしね。

首にはシンプルだけどネックレスまで(汗)

そんで、長いのに巻きスカートてやつが立ってるとなんとも無いのに座って組んだら膝から下が丸出しだ。まあ、暑いから良いけどさ、四日前までは届いていた地面が今日は遠くて、小さい子みたいにブラブラしてる。確かに今は見た目小さい子なんだけどさ。
この椅子に座るときも、
「よじ登ったら服がクシャってなるから。」って当然の様にヴォルフラムに抱き上げられて座ったんだ。
次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ