■二人の幸せはみんなの幸せ■

□9月の物語~ New semester of preparedness
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覚悟の新学期

9月、夏休みが終わって緊張の新学期が始まった。
夏休み明けは、小学生の頃から、大量の宿題の完成具合にドキドキしたりして
多少は緊張していたものだが
今回はちょっとわけが違う。

何しろ、性転換しちゃったわけなのだから。
しかし、よくあるオネエさんたちと違って 男子の心のままの性転換であって
これっていわばオナベ?んーちょっと違うよな。
ま、それとは次元が違うし、自分である程度納得してこうなったのだから。

緊張感はそれに付随した諸々がいっぱいあることだ。
夏休み中に一旦みため10歳(って小学3年生?)の女の子に縮んで、
眞魔国的には半年ほどで元の高校生に成長したのだが、
女の子として成長したので体型は変わったし、
1学期より背も5センチほど足りないままだ。
何とかお袋の身長よりほんのちょっと高くて、女子としてはまあまあの高さだが
普通この年齢の男子なんて夏休みに劇的に成長したりするはずなんだけど縮むなんてさ。
ややこしいので、なんとか高校卒業するまでは 男子生徒として過ごしたい。

夏休み中に秋葉原で見つけた、男装用の装備を色々駆使して
Cカップになってしまった胸をつぶし、シークレットインソールで何とか
前と違和感ない程度の身長にしたはずだ。
ただ、これで歩くとパンプス並みに足が辛いけど、幸いチャリ通学だ。
残りの問題は、伸びてしまった髪。
まあ、校則違反にはならないらしいから、後ろで括ってしまう。

学ランを着る季節まで、少し華奢になった上半身が気になるけど
「夏痩せだろ」って言い訳も一応用意した。
一番の救いは、尻が大きくならなかったことだ。
まあ、野球をやってる奴には尻が大きい男もいるけど。

洗面の鏡で念入りにチェックしていると
「ユーリ、本当に大丈夫なのか?ついていかなくても。」
「来なくていい。


ヴォルフラム、もう一度言うけど、ここは地球だから、しかもその中でも一二を争う
治安が良くて安全な日本なんだ。
それにヴォルフラムは乗馬は上手いけど、チャリはまだ乗ったことないだろう?
通学に連れていけないし。」
「まあ、今のところは我慢するよ。」
何を我慢するんだ?
留守番をおとなしくするってことか?

ヴォルフラムの言葉が引っかかったけど、とりあえず家を出た。
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