■マ王■

□あなたがスターです。
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それから数ヶ月して、小シマロン王 サラレギー陛下が眞魔国派同盟の調印をするため、国賓としてやってきた。

「サラ。よく来てくれたね。」
「ユーリ!会いたかった!毎日女豹のポーズのユーリにキスをしていたんだけど、もう物足りなくて物足りなくてはやく本物にさわり…いや会いたくて。」
「女豹じゃなくって、サラのリクエストの獅子のポーズだけど。」
人目もはばからずに、有利に抱きついたサラレギー陛下はコンラートに押さえつけられているヴォルフラムの前でキスをしながら服の上から有利の体を撫でまくっていた。
「小シマロンの国民の間でもユーリの複製肖像画は大好評で、もはや一家に一枚はある状態なんだよ。」
「まじで!でも小シマロンならサラの複製肖像画をのほうが売れるんじゃない?それこそ一人1枚ペースで。」
「まあそうだろうけど、面倒じゃない?」
「おれも面倒だったよ。モデルやったり、街の人にサインや握手を頼まれたりさ。」
「それはユーリならお願いしたら断らないって国民がわかっているからさ。私なんか頼まれたってやるわけないじゃないか。」
「なんかおれ馬鹿みたい?」
「そうではないよ。ユーリは優しいんだよ。そこがいいんじゃないか。」
さすがサラレギー陛下。ユーリ陛下の王としての良さをわかっていらっしゃる。両国の臣下がみな心の中で頷いていると
「では、ユーリ今から二人きりで私に肖像画と同じポーズを見せてくれないか。」
「そんなもの見てどうするんだ。」
「きっとワインが美味しく飲めると思うのだよ。」
コンラートは押さえつけていたヴォルフラムを離しそうになった。
「おれのヌードなんかが酒のアテになるか!」
いや、なるかもよ。と何人かの貴族は心の中で思ってしまった。

「それはさておき、小シマロンとその周辺諸国では 《眞魔国派の魔王陛下のお顔を観に行くツアー》を企画するから、ぜひユーリにも協力して欲しいのさ。」
「それはありがたいねえ渋谷。」
「なにが!それにツアーってなんだよ村田。」
大賢者はこっそりユーリに耳打ちをする。「外貨獲得のチャンスじゃないか渋谷。」ユーリも同じように大賢者にこそっと確認する。「そっか、新魔国の収入になるんだよな。…わかったよ、サラ、俺、頑張るよ 宜しくね。」なにすんのかわからないけど。
傍ではスケジュールのメモを取るコンラート。
「さすが眞魔国のトップスター。忙しいねえ。」
ギュンターも胸で組んだ両手を振りながら
「陛下の新しいお召し物を仕立てさせなくては。」
「ギュンター、同じデザインにするなら新しいのはいらないよ。」
「そんなー 陛下には学ランっていうタイプが一番お似合いですのに。」
「あれは日本人にはどんな体型の男子にも似合うようになってるの!」

村田がヴォルフラムにつぶやく。
「かわいそうにフォンビーレフェルト卿。スターは独身の方が値打ちあるからねえ。当分結婚は無理だな。」
「猊下!そんな。これ以上待てと?僕は一体いつまで待てばいいんですか!」
「ブームが去るまで?」
えー 途方にくれたヴォルフラムががっくりと項垂れた。
「僕はなんのために頑張ったのだか。」
そんなヴォルフラムに有利が声をかける
「新婚旅行の資金もできるといいな。」
「!ああ。僕もトコトン協力するよ。あの時いっぱいデッサンしたから、他のポーズのユーリも描けるよ。」
キラーん 頭の中で算盤の音がする村田とギュンターだった。


…女豹は難しいです。これで勘弁を

FIN
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◇あとがき◇
すみません、初めはシリアス裏のつもりだったのに、しっちゃかめっちゃかドタバタになってしまいました。
女豹ポーズの有利はやっぱり猫もとい豹の耳や尻尾なども装着してほしいっす。
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